メリンダはどこかへ旅行に行くかのように荷造りをしていた。荷物を車に積み、エンジンをかけた彼女は口紅を塗りなおし、車を走らせることなくガレージの扉を閉じた。
-本日のお客様-
メリンダ・メアリー・ブロック 享年38歳
MELINDA MARY BLOCH (1965-2003)
メリンダの元夫が彼女の葬儀を依頼しにF&Dを訪れた。メリンダはうつ病で、彼らの夫婦関係は長年危機的状態だった。しかし別れ話を切り出す度に「死ぬ」と脅されていた夫は別れられずにいた。薬により病状が回復したように見えた2週間前ようやく別れることになったが、それがきっかけでメリンダが自殺してしまったことに彼はひどく後悔し、涙する。同じく夫婦の危機に直面しているネイト、そして同じく妻がうつ状態にあるフェデリコは、彼の二の舞になりたくないと強く思うのだった。
大学が主催するチャリティーの美術展に、クレアとラッセルの作品も展示されることになり2人は喜ぶが、同時に作品につけた値段や、それが売れるかどうかの不安に悩まされていた。
美術展がスタートすると、隅に追いやられるように展示されていたラッセルの作品は早々に誰かによって買われていた。クレアはラッセルが評価されたことを喜ぶが、次々と訪れる自分の家族たちの手前プレッシャーもあり、自分の作品がいつまでも売れないことに危機感を募らせる。そんな時、同じく作品を出品していたビリーと再会する。彼がオリビエの元教え子だったことに驚くクレアだったが、それ以上に彼が学生時代オリビエと寝ていたということに衝撃を受けるのだった。
結局最後の最後までクレアの作品は売れ残ってしまうが、美術展が終わる間際ついに買い手が現れる。それがラッセルであることにクレアはすぐに気づくが、自分の作品を好きだと言ってくれる彼の優しさに喜ぶ。
翌日、クレアはラッセルの作品を買ったのがオリビエであることを知らされる。作品を買ったのは自分がオリビエのものであると見せ付けるためだったのだと、ラッセルからオリビエの行動に対する考察を聞かされたクレアは、ビリーの件もあり再び不安を煽られる。
ネイトとリサはまた些細なことでケンカをしてしまう。お互いのどうしようもない価値観の違いに、ネイトはこの結婚が間違いであると感じ、ついにリサに別れる意思があることを口走ってしまう。それを聞いたリサはひどく傷つく。そんな状態ながらも、クレアのためにと2人は彼女の参加する美術展に出向くが、そこでブレンダと再会してしまう。ブレンダと会っていたことをネイトに知られたくないリサは初対面を装い、それを察したブレンダはそれに合わせた。
会場のトイレでリサはブレンダと2人きりになった。ブレンダはリサが自分をスパイしていたことへの不快感をあらわにするが、彼女がネイトとの関係に悩み涙する姿に、リサの行動は「自分にないものが欲しかった」からだと慰める。そして自分とネイトの関係は愛ではなく、彼もまた「自分にないものを求めていた」だけと告げる。
ネイトとリサは美術展のピラミッドの中で2人の関係について話し合った。そしてお互いに望む人間になろうと無理をするのではなく、ありのままの自分を受け入れるという結論に達した2人は仲直りし、この時点から結婚生活を再出発させようと誓い合う。
ブレンダはビリーと共に帰る支度をしていたが、一緒に来たはずのマーガレットの姿が見当たらない。探すのをあきらめた2人は家に戻るが、そこでいつの間にか美術展を抜け出していたマーガレットとオリビエの情事の現場に遭遇してしまう。母親の行動にあきれ果てたブレンダはその夜ビリーの家に泊まる。翌日母親のいる家に戻りたくないブレンダは、しばらくビリーと同棲することに決める。
ルースはクレアの参加する美術展にアーサーを誘い、その夜ついに彼とベッドを共にする。しかしアーサーはただ添い寝するだけでセックスに発展させる気配はなく、結局何事もないままアーサーはお礼を言って自室に戻ってしまう。
デイヴはキースの反対を押し切って、カウンセラーのフランクに先日サージと行った3Pが健全な行動であるかを相談した。フランクはそれについて2人が満足しているのならいいが、誰とでもセックスをしていいということになってしまう前に、3Pについて基本的なルールを話し合って決めておくべきだとアドバイスする。
クレアの参加する美術展の帰り、ゲイバーに立ち寄ったデイヴとキース。キースは好みの男性に声をかけて再び3Pをしようと提案する。デイヴはその前にフランクのアドバイスどおり3Pのルールを作るべきだと言い、短い話し合いの末、3Pの相手とはキスはしないというルールを取り決める。そして再び3Pを行う2人だったが、翌朝デイヴはまた複雑な心境を味わう。
バネッサは治療を受け始めたが、その効果はまだ現れず、相変わらず無気力な状態が続いていた。フェデリコは彼女を元気づけるため、子供たちをアンジェリカに預け2人きりでディナーを楽しもうとするが、バネッサに大きな変化は見られなかった。その翌日、職場の同僚に自分の病状を相談したバネッサは、彼女から医師の診断もないまま、今飲んでいるものとは別の薬を数種類勧められ、受け取ってしまう。
リサ「私に対する愛はない?」
ネイト「あるさ」
リサ「でも充分じゃない!」
ネイト「俺としては充分だ!君にとってだろう?俺に不満はない。この状態で充分満足してる。不満なのは君で、その原因は全部俺だ!それが耐えられないんだよ!」
キース
「あれは…ひとつの解放だ。すごく、自然だったし、大胆になれた。いつもはやたらと、気を使って、疲れるけど」
デイヴ
「物の見方が暗いんだ」
ビリー
「セックスはいつだってパワーを感じる。違うか?」
ブレンダ「あなたは…、自分にないものが欲しかっただけ」
リサ「ネイトのこと?」
ブレンダ「彼はあなたのもの。あなたが望むならずっとね」
リサ「…私はあなたほど愛されてない」
ブレンダ「あれは違う。愛じゃない。…彼は自分にないものを掴もうとしてただけ」
ネイト「今から、なんとかやりなおせないかな?…別の所から始めよう」
リサ「私たちお互いに相手が望む人間にはなれないのよ」
ネイト「相手が何を望んでるかなんて考えないで、お互いに無理するのをやめる所から」
リサ「…友達みたいにってこと?」
ネイト「それだけじゃないさ」
リサ「恋人でもあるの?」
ネイト「ああ。だけどありのままの自分でいい」
ネイト
「愛を勘違いした人間ってのは悲しいな」
クレアの作品に対する感想、デイヴは「暗い」、キースは「明るい」、ネイトは「良かった」と誉め、リサは誉めた上で作品について質問をし、ルースとアーサーは「優しい感じがする」と言ってクレアに「不安がテーマなんだけど…」と突っ込まれる、と個性豊かな回答がおもしろかったです。
地味にジャック神父が久々に登場。第1シーズンでは否定してましたが、延滞していたビデオのタイトルから考えるにやっぱりゲイだった?
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