Episode 27 Perfect Circles - 「真円」

 AVMの手術を受けるネイト。しかし手術の途中、病巣が破裂し危険な状態に陥った。

-本日のお客様-
ナサニエル・サミュエル・フィッシャー Jr 享年37歳
NATHANIEL SAMUEL FISHER,JR (1965-2002)

 生死の境をさまようネイトは夢を見ていた。その夢の中で、ネイトは様々な場所を訪れる。手術が失敗し、自分が死んでしまっている場所。手術で命は取り留めたものの、脳に障害を残すことになった自分がいる場所。手術が成功し、リサと共に愛娘マヤと過ごす自分がいる場所。ブレンダと破局することなく結婚し、彼女との間に子供が生まれた自分がいる場所。父ナサニエルが事故死せず、クリスマス・ディナーを一緒に楽しむ自分がいる場所。ナサニエルが別の女性と結婚し、ルースとの間に生まれたネイトは存在せず、別のネイトが存在する場所。自堕落な生活を続ける自分がいる場所…。最後にナサニエルとたくさんの坊主頭の男たちが参列する葬儀会館を訪れたネイトは、ナサニエルから目の前にある棺のふたを開けるように言われる。言われるままふたを開けたネイトは白い光に包まれた。
 ネイトは一命を取り留めた。病巣が破裂したものの、運良く障害も残らず元通りの生活に戻ることのできたネイトはリサと結婚し、娘のマヤと3人で新しい生活を始めていた。その生活の中でネイトは、夢の中で訪れた様々な場所でのデジャヴを感じる。そしてマヤを寝かしつける際に、リサと夢の中で交わした会話と全く同じ会話を交わした時、ネイトは夢の中で訪れた様々な場所から、リサたちと過ごすこの場所を自分で選んだということを確信するのだった。

 ネイトと結婚し、娘マヤと3人での生活を始めたリサだったが、幸せなことばかりではなかった。リサたちは彼女の雇い主であるキャロルの家に住まわせてもらっているが、キャロルは我侭かつ嫌味な性格でしかもネイトを嫌っており、仕事でもプライベートでもリサは彼女に振り回されていた。また自分が仕事の際にマヤの面倒を見てくれているネイトの母ルースとの関係は一見順調のように見えたが、孫に対して過剰に接するルースにありがた迷惑さを感じていた。そんな時、ルースがマヤにアレルギーの原因になるピーナツバターを食べさせたことを知ったリサは怒り、彼女に注意をする。ルースは自分の行為を反省すると同時に、リサに拒絶されたことにショックを受ける。

 同棲を始めたものの些細なことで争いの絶えないデイヴとキースは、2人の関係を改善するためにカウンセリングに通っていた。怒りやすいキースに対して萎縮して気を使ってしまうデイヴ、そしてそんなデイヴの態度に苛立つキース。感情を表に出しすぎる家庭で育ったキースと、逆に感情を隠しすぎる家庭で育ったデイヴという、お互いの育った家庭環境の違いが争いの原因になっているようだった。
 キースは暴行事件を起こした後に警察を退職し、新しくホームセキュリティの仕事に就いていた。しかし金持ち相手に、プールに入った動物の死骸を処理するなどの雑用をする仕事内容に不満を感じており、それは時折怒りとなってデイヴに向けられていた。
 デイヴは相変わらずの生活を送っていたが、カウンセリングを通して仕事と恋人以外で1人でできる何か始めるべきと思い、L.Aゲイコーラスのオーディションを受けることにする。

 5万ドルの出資金を出し念願共同経営者となったフェデリコ。それにより「フィッシャー・アンド・サンズ」は「フィッシャー・アンド・ディアス」(F&D)に改名していた。しかしネイトとデイヴからは相変わらずの扱いを受けるフェデリコは、自分の立場はネイトたちと対等であることを強く主張する。

 クレアは念願の美術大学へ進学していた。しかし芸術の道は険しく、基本的なことばかり教えられる大学の講義に退屈さを感じ、またその基本的なことを表現する難しさに苦悩する。そんな時、ネイトからF&Dでの遺体を火葬場まで搬送するアルバイトを引き受けたクレアは、火葬場で働くフィルと出会い、心惹かれる。バンドの話で盛り上がったクレアはそのままフィルと一夜を共にし、翌日の大学の講義をサボってしまう。

今回のキャラクター発言 Pick Up

雑感・解説

 ネイトがAVMの手術を終えた7ヶ月後からスタートした第3シーズン初回。ネイトとリサは結婚し、クレアは美術大学に進学、フェデリコは念願の共同経営者になり、キースはホームセキュリティ会社に転職と、各キャラクターが様々な展開を迎える中、唯一ブレンダのみ登場せず。
 第2シーズン最終話でも登場していた火葬場のフィルですが、見違えるような姿で再登場。演じてる人は変わってないんですけど、ものすごくワイルドな感じに。

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