Episode 31 The Trap - 「監獄」

 ハイキングに来たカップルが山道で迷っていると、上の車道から転落し朽ち果てた車を発見する。なぜ事故車が片付けられずそのままになっているのか不思議に思った2人がドアを開けてみると、中には白骨化した死体があった。車は片付けられていなかったのではなく、28年経ってようやく彼らによって発見されたのだった。

-本日のお客様-
ウィリアム・アーロン・ジャッフェ 享年24歳
WILLIAM AARON JAFFE(1951-1975)

 ウィリアムの妻ダイアンは、彼との間に子供がいたが既に別の男性と結婚していた。28年前、ウィリアムは新聞を取りに行くといって出かけたまま戻らず失踪し、ダイアンは彼に捨てられたと考えていたのだ。そのウィリアムが事故死していたことを知ったダイアンは驚くが、新聞を取りに行ったはずの彼がなぜ家から遠く離れた山道で事故死していたのか疑問を感じていた。
 ネイトはリサから日頃の無駄遣いを咎められ、節約をするように言われる。しかしその理由が、リサがマヤが成長するまで次の仕事に就かないと決めているためだと知っていたネイトは、リサにそのことは自分に相談して決めるべきだと注意する。
 リサと結婚して以来家庭に束縛されていると感じているネイトは、ウィリアムが新聞を取りに行くと嘘をついて山へ向かったのは、家庭の束縛から逃れ1人になりたかったからだと考えた。自分とウィリアムを重ね合わせたネイトは、彼の息子トムが父親がいなくても無事に成長している姿を見て、マヤも同じく父親がいなくても無事に成長するのではないかと考え、今の家庭を捨ててどこかに行ってしまいたい衝動に駆られる。しかしマヤを置き去りにできないネイトは、家庭を持てば自由ではいられないのだと自分に言い聞かせ、踏みとどまる。

 クレアがオリビエのアシスタントをするため、F&Dでバイトをすることができなくなった。そこでフェデリコは彼女の代わりに見習いを雇うことを提案する。賃金の代わりにフィッシャー家の空き部屋を住まいとして提供することで経費をさらに節約できると言われたネイトたちは、早速見習いの採用面接を始める。
 面接での雰囲気からフェデリコたちはアーサーという男性を採用した。5歳で両親を亡くし、叔母にホームスクーリングで育てられたという彼は、とても丁寧な物腰でおとなしい雰囲気だったが、どこか変わり者のオーラを放っていた。ルースは彼を部屋に案内すると同時に、フィッシャー家の中を案内する。そして昼食と夕食でお互いがキッチンを使う時間を決めて鉢合わせしないようにする等、様々なことを取り決める。しかし結局決めた時間まで待ちきれなかったルースは、アーサーと共に食事をすることにする。その時、ネズミの駆除について同じ価値観を持っていることを知ったルースは、アーサーに親近感を覚える。
 ベティーナが娘の面倒を見るためにモンタナに行くことになってしまった。寂しがるルースに、ベティーナは自分がいない間の楽しみとしてアーサーの生活の覗き見を伝授する。

 デイヴの所属するゲイコーラスのコンサート本番が近づいていた。ソロパートに力が入りすぎていると注意されたデイヴは、気分を晴らすためにコーラスのメンバーたちと飲みに出かける。そこでメンバーの1人テリーと2人きりになった時、彼から以前デイヴと関係を持ったことがあると告白される。デイヴは人違いだと否定したが、実際は彼の言う通り、お互いの素性も知らないまま衝動的に関係を持った仲だった。コンサートの夜デイヴはテリーに、自堕落な行為をしてしまったことを恥じて人違いだと言ってしまったと嘘をついたことを謝る。
 キースはホームセキュリティの仕事中、無線で連絡を受けて泥棒の入った家へ駆けつけるが、既に警察が到着した後だった。同じく駆けつけていた同僚のディオンと共に現場の後始末をまかされたキースは、彼と共に気晴らしに家の中のお酒を拝借して楽しむ。しかしハメをはずしたディオンが普段の腹いせにと家具を壊し始めてしまい、キースはそれを止めるために過剰な暴力を振るってしまう。この件ですっかり仕事に嫌気が差し、また再び過剰な暴力を振るってしまった自分への嫌悪感から、キースは今の仕事の潮時を感じ始める。

 クレアはオリビエから彼のアシスタントをするように命じられる。てっきり彼が作品を制作する上でのアシスタントと思ったクレアは大喜びするが、実際は車の免許を取り上げられた彼の代わりに運転し、買い物に付き合うということだった。そして車の中ではオリビエから、彼の経験談を元に、恋愛にかまけていては成功するチャンスを逃すということを延々熱弁される。
 クレアはラッセルから彼の兄の結婚式に来ないかと誘われる。それがデートの誘いであることを確認したクレアは一度はOKするものの、友人としての関係を壊したくない彼女は思い直し、後日誘いを断ることにする。ラッセルもクレアの考えに賛同し、快く彼女の返事を受け入れる。

 ブレンダがネイトの元に突然現れた。車を車検に出す予定だったネイトは彼女を一緒に連れて行き、待ち時間で食事をしながらお互いの近況を話す。ブレンダはネイトの元を去った後、各地を転々とし、今は母親のマーガレットと同居しているらしい。そして今回彼に会いに来たのは、ネイトに付き合っていた頃にした過ちの謝罪のためだと言う。それは彼女自身のリハビリのためだったが、ネイトは彼女の謝罪の言葉を受け入れる。
 ネイトがブレンダと食事をしたことを知ったリサは激しく激怒した。リサは今後ブレンダと会う時は自分に教えるように、そして彼女に自分が妻であることを紹介するようにと念を押す。翌日リサはネイトの服からブレンダと食事をした時のレシートを見つけ、1人涙する。

今回のキャラクター発言 Pick Up

雑感・解説

 ブレンダようやく復活!…と思いきやそのブレンダの復活より、アーサーの登場の方がインパクト大?今回は第1シーズンのアンジェラの時のように面接シーンがなかったので他の面接者はどんな人だったか分からなかったですが、もうちょっとまともそうな人がいたのではないかなと。いやでもアンジェラの時の教訓からあえて変わった人を選んだのかも…。いやいや、今回はフェデリコ主導っぽかったのでフェデリコの一存で彼に決まったのかも…。
 今回のお客様は白骨死体でしたが、フェデリコが骨に肉付けして生前の姿を再現する神がかった展開を期待していましたが、さすがにそれはなかったですね。結構新鮮だったのが、クレアとフェデリコの絡み。これまでちょっと会話を交わす程度の描写しかなかっただけに、今回の白骨死体入りダンボール投げフェイントのシーンは微笑ましかったです。

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