カーリーは暗い夜道を1人で家に向かい歩いていた。その途中後ろから男たちが現れ、彼女をはやしたてながら後をつけてきた。カーリーは恐ろしくなり足早に逃げようとするが、男たちはなおも付いてくる。しかし道路を横断しようとした時、名前を呼ばれたカーリーは後をつけてきていたのが友人たちだったと気づく。安心するカーリーだったが、道路の真ん中に立ち止まっていた彼女に車が衝突する。
-本日のお客様-
カーリー・レネ・モーティマー 享年19歳
CALLIE RENEE MORTIMER (1984-2003)
F&Dを訪れたカーリーの家族は、夜に見知らぬ男に追いかけられる女性の恐怖を理解していなかった男友達たちの行動に嘆く。だがその話を聞いたネイトとフェデリコもまた、カーリーの体験した恐怖に実感が沸かず、彼らは男性と女性の立場や感性の違いを知ることとなる。
カーリーの葬儀中、自分のしたことを悔やむ男友達の話に耐えられなくなったカーリーの母親が泣き出し、ネイトは彼女をただ抱きしめて慰める。その一方で彼女にかける言葉も思い浮かばず、動くことのできなかったフェデリコはネイトの行動に感心する。自分の家族が同じ目に遭ったらと思うと何もできなくなってしまうというフェデリコに、ネイトは家族が同じ目に遭うかもしれないというネガティブなことではなく、ただ家族の幸せを考えろとアドバイスする。
デイヴとキースはリラックスするために休暇をリゾート地で過ごすことした。しかし現地に到着したデイヴは他にゲイカップルがいないことに気づき、周りの目を意識しすぎてナーバスになってしまう。キースはそんな彼の弱気な態度を諭し、それによりデイヴも気分を入れ替え、2人は酔っ払って夜通し大騒ぎして楽しむ。しかしその帰り道2人の車は渋滞に巻き込まれてしまい、買い物で出発が遅れてしまったことや、明日の仕事の準備のことで険悪な雰囲気になり、再びいつものピリピリするキースとそれに萎縮するデイヴの関係に戻ってしまう。
リサはキャロルのわがままに耐えてきたがとうとう限界がやってきた。家族よりもキャロルを優先し、尽くすべきだと言われたリサは怒って仕事を辞めてしまう。結果としてリサたちは引っ越すことになってしまい、なんの相談もせずに仕事を辞めたことにネイトは苛立ちを覚える。
リサたちは以前デイヴが住んでいた、フィッシャー家の離れに一時的に住むことになった。ルースは3人と一緒に暮らせることを喜ぶが、ピーナッツバターの件もあって彼女のリサとマヤに対する態度はどこかよそよそしかった。
ネイトはリサとの結婚生活に不満はないと思っていたが、人気のない道路に車を止めて自慰を始めたり、リサたちのいる離れではなくフィッシャー家の居間でくつろいだり、リサたちを避けるような行動をとるようになっていた。
ルースは家計のために新しい仕事の面接を受けようと考えていたが、ベティーナと過ごす時間を優先してそれをやめる。ルースは彼女とショッピングに出かけ楽しむが、ベティーナは更なる楽しみを求めてスカーフやサングラスの万引きを始める。驚くルースだったが、彼女もまたベティーナにのせられて口紅を万引きしてしまう。
クレアは楽しみにしていた講義の講師が変わることを知りうんざりしていた。だが代わりにやって来た講師、オリビエ・カストロ・スタールの型破りな講義内容に、クレアはいい意味で期待を裏切られる。そして作品の良さを「いかに自分を不快にさせるか」だと言うオリビエに、クレアの作品は「見た途端に嫌な気分になる」と絶賛される。
クレアはフィルとの関係を続けていたが、彼のライブのある日に会おうとすると「その日は別の友人が来る」と断られる。別の友人が別の女性であることを察したクレアは、正直に複数の相手と一度に付き合うことに納得できないことを打ち明ける。フィルに現時点での2人の関係が本気ではないと答えられたクレアは、彼に別れを告げる。
ベティーナ
「ラッキーかアンラッキーかなんて、分かんない。三度も結婚したのはアンラッキー。早くに保険を払い終えられたのはラッキー。息子が火事を起こしたのはアンラッキー。尿路感染症にかかってないのはラッキー。別に最終的にフェアじゃなくてもいいの。どっちみち、朝はベッドからお尻を引きずり出さなきゃ」
ルース
「…もしも、誰かと知り合って、それから2、3週間電話なんかで連絡を取り合った後で、一緒に出かけるようになったりするでしょ?ハイキングとかに。とっても楽しくて、相手もそう見えたとする。…次にその人を誘うのはどれくらい経ってから?」
フェデリコ
「覚えとけ。結婚生活で、一番大変なのは、1年目だ。しかも赤ん坊がいたら…、フゥ〜。誰でも辛いって」
「もし不満が出てきても、それが普通だ」
リサ
「あんたの乳母をやらされんなら、健康保険にも入れてもらうんだったわ!」
オリビエ
「この絵は見た途端、嫌な気分になる。理解できるかどうかは別として、それが真実であれば体が反応するんだ。肝臓や腸はアーティストである上で目よりも重要だ。脳とはかけ離れているからな」
フェデリコ
「下にいる時は、ただの死体なのに、こっち来ると若い女の子で、誰かの妹で、誰かの娘だ。どうしても考えちまうんだよ、これがフリオや、バネッサだったらって…」
ネイト
「そういう悪いことじゃなくって、二人の幸せだけ考えてる。でなきゃこの仕事はできないよ」
夜道を歩いていた女性が、男友達の悪ふざけによって事故死してしまうという今回の冒頭。私は田舎住まいかつマイカー通勤な人なので夜道で1人歩くなんて経験はほとんどないのですが、実際想像してみるとさっさと家に帰りたくなりますね。特に治安の悪い都市ならなおさらで、今回のお客様も相当な恐怖を味わったんだと思います。ネイトとフェデリコの反応はそんな女性の心理を分かっていない感じでしたが、そのあたりの男性と女性の立場(狙われやすいかそうでないか等)や感じ方の違いがリアルに描写されていたのでは…と感じてしまったり。
前回に続きフェデリコは葬儀業者としての苦悩に再び遭遇。ああ、こうしてフェデリコはどんどん成長していくのですね…。その一方で、夫婦生活についてはネイトとフェデリコのアドバイスする立場が逆転しているところが笑えましたが。同じ子供を持つ男性同士、フェデリコはネイトが結婚生活に満足していないことに勘付いている?
<<前へ | ▲上へ▲ | 次へ>> |