店番をしていたクリコールは、突然やってきた不審な男に故障中のトイレを使われてしまった。おかげで帰宅が遅れる羽目になった彼は、妻のアナヒドにその旨を電話で伝えるが、電波が途切れてなかなか会話ができない。だが突然、電話の向こうのアナヒドからなんの反応もなくなってしまった。携帯電話の電波が悪いため家の外にでたアナヒドの頭上を、ブルーアイスという飛行機からの落下物が直撃したのだった。
-本日のお客様-
アナヒド・ホヴァネシアン 享年52歳
ANAHID HOVANESSIAN (1951-2003)
リサが失踪し、その生存がほぼ絶望的であることを確信したネイトは、ますます精神的に不安定な状態になり、マヤを置いて夜中に外を出歩いたり、昼間から酒浸りの生活を送り、バーで知り合った見知らぬ女性と行きずりの関係を持つようになる。仕事への悪影響も大きくなり、アナヒドの葬儀を依頼しに来たクリコールも罵倒した上に追い返してしまう。そして彼の状態を心配する弟妹やジョージにも冷たい態度をとり、突然の結婚を決めたルースには、父親が死んだ時に彼女が家に残るよう言わなければこんな事態にはならなかったと八つ当たりする。
そんな状態のネイトに追い討ちをかけるように、警察からリサの遺体が見つかったと連絡が入る。自暴自棄になったネイトはバーで乱闘騒ぎを起こす。そして自殺を思い立ったネイトは車を走らせ、その後を押すようにナサニエルとリサの幻影が現れる。しかしネイトは死への恐怖から「死にたくない」と涙を流し、自殺を踏み止まる。
ナサニエルの幻影に後押しされ、デイヴはもう一度キースと会うことに決めた。教会にキースを呼び出したデイヴは、初めて会った頃の思い出を懐かしんだ後、改めてお互いの関係について話し合う。デイヴはキースと共に生きることが正しいことか迷っていること、そしてパトリックと寝たことを告白する。キースはそのことを責めず、デイヴとの関係を取り戻すためなら何でもできると言い、そして自分との関係を続けていくことを諦めないで欲しいと告げる。
ネイトからマヤの子守を押し付けられたクレアは、中絶後ということもあり複雑な心境だった。誘われるようにナサニエルの墓を訪れたクレアは、そこでナサニエルの幻影と出会い、不思議な世界へ引き込まれる。そこには長い間行方不明のままだったガブリエル、死んだと思っていたリサ、そして中絶した自分の子供がいた。そこでクレアはガブリエルを救えなかったことへの自責、そして彼への想いに決着をつけ、中絶した自分の子供は死んだリサが代わりに育ててくれると思うことにし、そして自分はリサの代わりにマヤを、産むことのできなかった自分の子供の代わりとして面倒を見ていくことを決める。
結局ルースはジョージとの結婚を決め、結婚式の二日前にネイトたちにそのことを知らせた。だが彼らの反応は複雑だった。お互いよく分かり合えていない早すぎる結婚の上に、リサの失踪から間もなかったからだ。しかしルースはネイトたちに例え認められなくても、結婚を止める気にはなれなかった。
迎えたルースとジョージの結婚式。それぞれの問題に決着をつけたデイヴ、クレアが祝福に駆けつける。出席者はネイトを除いたフィッシャー家の面々とキースだけだったが、彼らに見守られ、ルースとジョージは永遠の愛を誓う。
結婚式の後、家でパーティーを楽しんでいたルースは、部屋の片隅でルースの結婚に涙するナサニエルの幻影を見る。
フェデリコは家に居座り続けるアンジェリカの横暴な態度に限界が来ていた。バネッサに直訴しても、彼女は「困った時に助けてくれたから」とあくまで妹の肩を持つ。怒ったフェデリコは1人家を飛び出し、ダンス教室へ向かう。その帰り、講師から飲みに誘われたフェデリコは初めてストリップクラブを訪れる。そしてそこで踊っていたダンサーのソフィアに気に入られ、酔っ払っていたフェデリコは彼女を自分の車に誘い楽しむ。フェデリコはお金を払おうとするが、ソフィアは「あなたが好きだから」とそれを受け取らなかった。
ブレンダは向かいの部屋に住むスタジオミュージシャンのジョーと知り合う。彼からコーヒーの誘いを受けたブレンダは、「あなたと寝る気はない」からとその誘いを断るが、翌日一方的に勝手なことを言ったことを謝る。しかし彼は特に気にしていなかった様子で、ブレンダは彼とディナーへ行く約束をする。ディナーの席でブレンダは、自分たちの関係を進展させることに対して曖昧な返答をしつつも、彼女のペースにまかせようとしてくれるジョーに惹かれていく。そしてディナーの後、2人はキスを交わすのだった。
真夜中、ブレンダの部屋のドアをノックする男の姿があった。ドアを開けたブレンダの目の前に立っていたのは、乱闘で傷だらけになったネイトだった。ブレンダは無言で彼を招き入れ、ドアを閉めた。
リサ・キンメル・フィッシャー 享年36歳
LISA KIMMEL FISHER (1967-2003)
ルース
「私たちは死んでない。生きてるのよ。命は貴重な宝物だわ、しかもすごく短い。だからいつでも希望を持って前に進まなきゃいけないのよ」
クレア
「去年はただ、美大に行くことしか考えてなかった。あの頃は、それだけで人生が開ける気がしてた。だけど入ってみたら…、そこにあったのは吐き気がしそうな大人の…駆け引きで、それに、みんな悪意と敵意の塊なの。あんなに憧れてた場所が、今は大っ嫌い」
デイヴ
「キースを頭から締め出して死んだと思えば、僕はキースの代わりを見つけることになるのかな、母さんがジョージを見つけたみたいに。誰か消えたら、代わりを見つけるのが人生?」
ナサニエル
「ジョージは生きてて、俺は死んでる。向こうの勝ちってことだ」
ネイト「親父が死んでから俺はここに縛られっぱなしだ!あの時俺は、シアトルに戻ろうとしてたのに!」
ルース「私は別に残れなんて…」
ネイト「いや引き止めたね!言ったじゃないか!しばらく居てくれ、ほんの2、3日だからって、言った!だけどそう言ったのは、うちの家族が、本音を口に出来ないからだ!母さんが俺をここに縛り付けた!なのに違うなんて言わないでくれ!散々だよ!母さんのせいで俺の人生何もかも変わったんだ!もしも、もしもあの時戻ってたらこんな想いはせずに済んだ!」
ルース「やめてちょうだい!」
ネイト「それなのに、助けが必要な時は知らん顔するんだ!」
ルース「どうやって助けるの!私がいくら手を差し伸べたってあなたが拒んだらどうしようもないじゃないの!どうしたらいい?ボロボロになるのをただ見てる?そんなことできるわけないじゃない、御免だわ!」
デイヴ
「君と一緒にいるのが正しいのか分からない。間違ってるのかも分からない。…ただ、ずっと幸せではなかった」
キース
「おまえを心から愛してる。おまえを失わずに済むんなら、俺はなんだってやるつもりだ」
ついに迎えた第3シーズン最終話。前シーズンほどのクリフハンガーな終わり方ではなかったとはいえ、問題が解決したり、はたまた新しい問題が出来たり、新しい生活を始めることになったりと、登場キャラクターそれぞれに転機が訪れましたが、リサは死亡が確認されたのみで詳しい原因は不明のまま。
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