ジュブナイル 文研の名作ミステリー シリーズについて
2009年5月 旧ブログに掲載の記事を再録

小学生の頃、夢中になったジュブナイルシリーズである、文研出版「文研の名作ミステリー」を蒐集しようと思い立って約半年。

ヤフオク、古本のネット販売等を利用してようやく全10巻揃ったので、逐次書評を書いていきたい。需要あるのか!?(笑)

本シリーズは、当時存在した、あかね書房「少年少女世界推理文学全集」「推理・探偵傑作シリーズ 」や、秋田書店「ジュニア版世界の名作推理全集」などとともに、就学児童あたりを対象読者とした推理小説の入門シリーズ。
第一刷は概ね1976年に出版されている模様、第二刷だと1982年とかいうものもある。

特徴としては本格、サスペンス、古典、ハードボイルドと満遍なく分野が網羅されている事で、ミステリに興味を持った児童が気に入った作品を見つけやすくなっている。
全編お話としてはかなりショッキングな事件を扱っているものが多く、殺害方法だけではなく、動機面や結末の陰惨性に於いてもハードな内容が含まれている。
そういう意味合いでは、昨今のご時勢、子供に読ませる事を躊躇すべき作品もラインナップされてるのかも知れないが、当時にそんな論調は聞いた事がないので、単に今の子供がやたらと過保護化されてるだけではないだろうか。

さらにこのシリーズを魅力的なものとしているのが、起用されたイラストレーターが力量と個性のある人士達ばかりで、表紙など装丁や挿絵も非常に迫力のあるものとなっている事である。楢喜八さん、桜井一さんといった方々が書かれたイラストは良く作品の不気味さを盛り上げてくれた。

自分にとっては、ミステリの面白さを知らしめてくれたシリーズで、小学校の図書室に備え付けられていたので、夢中になって読んだ覚えがある。ズベズダ氏や赤かぶ検事氏もお世話になってるはずのシリーズだ(笑)。
 

では全巻レビューを徐々に書いていきたい。


 

文研の名作ミステリー1 「ろう人形館の殺人」ディクスン・カー作、常盤新平訳

文研の名作ミステリー2 「ABC殺人事件」アガサ・クリスティ作、各務三郎訳

文研の名作ミステリー3 「黄色い部屋の秘密」ガストン・ルルー作、榊原晃三訳

文研の名作ミステリー4 「Yの悲劇」エラリー・クイーン作、榊原晃三訳

文研の名作ミステリー5 「マルタの鷹」ダシール・ハメット作、福島正実訳

文研の名作ミステリー6 「黒衣の花嫁」ウィリアム・アイリッシュ作、亀山龍樹訳

文研の名作ミステリー7 「英仏海峡の謎」F・W・クロフツ作、中尾明訳

文研の名作ミステリー8 「水晶のせん」モーリス・ルブラン作、長島良三訳

文研の名作ミステリー9 「ある死刑囚の首」ジョルジュ・シムノン作、矢野浩三郎訳

文研の名作ミステリー10「バスカビルの魔の犬」コナン・ドイル作、白木茂訳

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