"When I die , I want to be one big mess. That's what life is, messy."
「私が死んだら乱れ放題がいい。人生と同じで」
ネイトがシアトルに住んでいた頃の同僚でルームメイト。ネイトはセックスフレンド以上の関係だとは思ってはいなかったが、初対面のクレアが会ってすぐに勘付いてしまうほど、リサ本人はネイトに惚れ込んでいる。ベジタリアンで動物性のものは一切受け付けず、映画のフィルムは動物のひづめから作られたもので、世界規模の動物虐待だという理由から映画も観ない。1967年生まれ。
長年ネイトに都合のいいルームメイト扱いをされつつも、それに耐えて自分の想いが実るのを待つ健気な女性…のはずが、異常に神経質なところや、リリー・テイラーの怪演(?)っぷり、吹替の変わった声のせいか、素直にその境遇を同情できない。…のだが、それが製作者の意図なのではと思えてしまうくらい、いろいろ勘繰ってみたくなってしまう、とにかく気になるキャラクターである。
CAST…リリー・テイラー / Lili Taylor
声:よのひかり
ネイトのシアトル時代の同僚でルームメイトだったリサ。リサはネイトからセックスフレンド以上の関係と思われていなかったが、長年好意を持ち続け、彼と結ばれることを願っており、ネイトがシアトルを去ってからもそれは変わらなかった。飛行機嫌いの故人の遺体搬送のためにネイトがシアトルを訪れた時、2人は久々の再会を果たす。リサはネイトにブレンダという新しい彼女ができたことを喜ぶが、内心は複雑だった。だがAVMに侵されていたネイトは死への恐怖からリサにすがり、そんな彼をリサは受け入れ関係を持ってしまう。翌日ネイトは何事もなかったかのようにL.Aに戻ってしまうが、リサは彼の子供を妊娠してしまうのだった。リサがネイトの子供を身篭ったのはこれで二度目で、最初の子供は堕ろしていた。今度は産みたいと考えたリサは妊娠のことはネイトには明かさなかった。
その後リサは以前から誘われていた、映画プロデューサーの専属シェフの仕事を引き受け、これもネイトには内緒でL.Aへ移住する。そしてネイトと偶然再会してしまったリサは、彼がブレンダと婚約したことを知り、彼の無責任な行動に激怒する。そして自分が妊娠したことを明かし、ネイトに子供の認知と監護権の放棄を求め、シングルマザーとして生きることを決める。ネイトからは「生まれて来る子供に関わりたい」と申し出を受けるが、彼は婚約者であるブレンダには妊娠のことを告げずに事を進めようとしていたため、リサはその無責任さを理由に受け入れなかった。そしてネイトとブレンダが破局を迎えた頃、リサは愛娘マヤを出産した。
リサはブレンダと破局したネイトと結婚することになった。(名前もリサ・キンメル・フィッシャー / Lisa Kimmel Fisherに)しかしリサは、ネイトはマヤが生まれたために成り行きで自分と結婚したことを感じ取っていた。そのため彼が未だに元婚約者のブレンダと会っている事に対して神経質になり(ブレンダの職場に素性を隠して訪れて、探りを入れてしまう程!)、また元々の価値観の違いからネイトとの争いは絶えず、幸せな結婚生活とは言えなかった。ついにネイトから離婚の意思があることを聞かされた時、2人の関係は終わったかと思われたが、冷静になった2人は、これまでお互いが理想の結婚相手になろうと無理をし、また相手にその価値観を押し付けていたことに気づく。そしてネイトとリサはお互いに無理をやめ、ありのままの自分を受け入れて、結婚生活を再出発しようと誓い合うのだった。
しかしその後、妹バーバラの家を訪れるためサンタクルーズへ向かったリサは、謎の失踪を遂げる。そしてそのまま帰らぬ人となってしまう…。
リサの死因は溺死だったが、発見されるまで海を漂っていた遺体はひどく腐敗しており、自殺か他殺かの判断はつかなかった。その後もネイトの前に幻覚としてリサは現れ続けるが、第4シーズン最終話でついにその死の真相が明かされる。
リサはネイトと結婚する前、バーバラの夫ホイトと不倫関係にあった。その関係は既に終わっていたのだが、バーバラにそのことを知られるのを恐れたホイトによって、リサは殺されてしまったのだった。
上ではリサはホイトに殺されたと断言してしまったが、実際にはホイトは犯行を自供していない。リサが失踪した日に会ったことは認めたが、その後は「別々に帰った」と言い、話をバーバラに聞かれていたことに気づいて自殺してしまっているのだ。しかし状況証拠から考えてもホイトの犯行で間違いないだろう。ホイトは言い訳で、ネイトのせいでリサが自殺したと言い出したが、ネイトの反論通り、ネイトはともかくマヤを置いて死ぬはずがない。また家族同然の付き合いをしていたホイトが、失踪した日にリサと会っていたことを隠す必要もないのである。
殺した動機についてもホイトは詳しくは供述していないのだが、これは彼が恐れていたリサとの関係をバーバラに知られることを阻止するためだったのだろう。しかし関係はかなり前に終わっていたはず。それなのになぜ今更殺す必要があったのか?この理由は、リサが今になってホイトとの関係をバラそうとしたからとしか考えられない。リサがバーバラの家を訪ねようとしたのはそのためで、失踪場所である海岸でリサとホイトが会ったのも、バーバラに告白することを相談するためだったのかもしれない。
ではなぜ今になってリサはホイトとの関係をバーバラに告白しようとしたのか?これは第35話「解放」で、ありのままの自分を受け入れて再出発しようと、ネイトと誓い合ったからだと思われる。自分を受け入れるために、そしてネイトとの関係を良くするために、リサは過去の清算をしなければならないと考えたのだろう。
またリサはネイトに見え隠れするブレンダの影にやきもきさせられていた。そのことで自分もバーバラに同じ思いをさせていたと、自責の念に駆られていたのかもしれない。もっとも、バーバラはホイトとリサの関係を知らなかったし、ホイトもマイホームパパっぽかっただけにその可能性はなさそうではあるのだが…。今に思えば、リサがブレンダを異常に意識していたのは、彼女自身のホイトとの関係があってのことだったのだろうか…?