"You can be dead, but you're never really dead."
「人は死んでも、オトコは死なない」
F&Sでエンバーミング(遺体衛生保全)を担当する敏腕エンバーマー。童顔で小柄な見かけによらず妻子持ち。故ナサニエルに恩があるらしい。1974年生まれ。
暗い雰囲気漂うF&Sの清涼剤的存在。メインキャストの中では出番は少ないが、意気揚々と遺体にエンバーミングを施す姿はとても印象的。その愛くるしい容姿と内面のギャップで、個人的にかなりツボなキャラクターである。
演じるフレディ・ロドリゲスはこの役でエミー賞助演男優賞にノミネートされた他、数々の賞を受賞、またはノミネートされてブレイク。フレディ・ロドリゲスについてのコンテンツはこちら。
CAST…フレディ・ロドリゲス / Freddy Rodriguez
声:上田燿司(2008年4月1日に「上田陽司」から改名)
F&Sに5年勤続してきた敏腕エンバーマー、フェデリコ・ディアス。しかしナサニエルが死んだことで彼の生活にも影響が現れ始める。1人息子フリオと、身重の妻バネッサを抱えて生活するフェデリコだったが、F&S内の雑用はほぼ彼が行うことになってしまい、家族との生活に支障が出るほど多忙になっただけでなく、このまま働いても経営者にさせてもらえるあてもないただの従業員という待遇に嫌気が差し始める。そんな彼にクローナー・インターナショナル社のジラルディが、10万ドルという破格で顔の半壊した女性のエンバーミングを依頼してくる。そして彼はクローナーで働けば更なる好待遇が待っていることをにおわせ、フェデリコをF&Sから引き抜こうとするのである。それを知ったネイトとデイヴに引き止められたフェデリコは、クローナーに行かない代わりとしてF&Sの共同経営権を要求する。しかしそれには多額の出資が必要であることを知らされたフェデリコは諦め、F&Sを去りクローナーへ移ってしまう。
しかしクローナーで待っていた現実は、ジラルディの言っていた好待遇とは全く違うものだった。待遇の悪さと刺激のない仕事に退屈したフェデリコは、説得にやって来たネイトの誘いを受け、F&Sに復帰する。(復帰は一時的なものだと念を押したが、ちゃっかりフレックスタイム制と昇給を獲得)その後、バネッサの出産も無事終わり、第二子アウグストが誕生した。
念願の新居を購入することになったフェデリコだったが、頭金を借りることをネイトたちに断られ途方にくれる。バネッサが彼女の妹アンジェリカからお金を借りたことで無事新居は購入できたが、アンジェリカとフェデリコは元々相性が悪く、何かと面目を潰す彼女は天敵であり、そんな彼女をバネッサが金銭面で頼り続けることに夫としてのプライドを傷つけられる。さらに購入した新居は欠陥住宅だったことが判明し、しかもその欠陥住宅の修理を依頼した従兄弟レイモンの家庭問題でとばっちりを受け、フェデリコの機嫌はますます悪くなっていく。しかし災難はこれだけに終わらず、バネッサの勤める老人ホームから引き取った遺体に違和感を感じたフェデリコが、食べ物が気管に詰められていたことを見つけ、結果として呼吸停止時にそれに気づかずに蘇生処置を行ったバネッサが解雇されることになってしまい、ディアス家に危機が訪れる。
そんな時、以前住んでいたアパートで近所付き合いをしていた老婆が、フェデリコたち夫妻に14万9000ドルの遺産を遺していたことが判明した。突然大金が舞い込んできたことに2人は大喜びし、使い道を模索するが(ちなみにフェデリコが最初に提案したのは、アンジェリカにこれまでの借金を返済することだった)、バネッサの提案で営業停止の危機に瀕していたF&Sに出資することを決める。そしてめでたくフェデリコは念願の共同経営権を手に入れたのであった。
また第2シーズンではフェデリコがエンバーマーとなったきっかけも明かされた。フェデリコの父は屋根から誤って転落した際、レンガの山に顔から突っ込んで亡くなったが、そのために顔面は見るに耐えない状態になってしまっていた。しかしそれを生前と変わらない姿に修復したのが故ナサニエルだった。感動したフェデリコはナサニエルに感謝すると共に、F&Sでの雑用を申し出る。そして才能を見出されたフェデリコは、その後ナサニエルの援助によりサイプレス・カレッジへ進学、エンバーマーとなったのであった。
5万ドルの出資金を出しF&Sの危機を救ったフェデリコは、「フィッシャー・アンド・サンズ」改め「フィッシャー・アンド・ディアス」(F&D)の共同経営者となった。念願叶ったフェデリコだったが、葬儀ディレクターになったことで従業員時代は気にすることのなかった問題に直面する。慣れない遺族の応対や、遺族と接することで感じる家族がもし同じ目に遭った時の不安に悩むが、ネイトたちを見習い徐々にその姿は様になっていく。またバイトとして雇ったクレアが辞めた際、その代わりとして住み込み実習生を雇うことでさらに経費を節約する案を出すなど、経営者としての優れた手腕を見せることもあった。
仕事面でも苦労が耐えないフェデリコだったが、家庭ではさらに深刻な問題を抱えていた。母親の死がきっかけで、バネッサがうつ病になってしまったのだ。不幸にもそれを聞きつけた天敵であるアンジェリカがバネッサの看病と称して家に居座るようになり、フェデリコのストレスは溜まる一方だった。家庭内でのいざこざに耐えかねたフェデリコは、通っていたダンス教室の講師からのストリップクラブへの誘いに乗る。初めての体験にすっかりハイになったフェデリコは、彼を気に入ったダンサーのソフィアを車に誘い、彼女との関係を楽しむのだった。
フェデリコはストリップクラブでソフィアと楽しんだことを後悔し、一度は教会に自分の罪を懺悔しに行ったものの忘れることができず、頻繁に彼女の家を訪れるようになり、セックスこそしなかったが不倫関係に陥っていた。しかしソフィアがF&Dにフェデリコに会いに来た所をルースに目撃されてしまい、そしてルースはそのことをバネッサに話してしまう。フェデリコはバネッサからの追及を言い訳してごまかすが、彼女の疑いの念は晴れない。潮時を感じたフェデリコはソフィアに別れを告げるが、最後の情けで、頼まれていた彼女の1人娘ニコールの絵本を家に届ける所を、怪しんで尾行していたバネッサに見られてしまう。バネッサは激怒し、フェデリコは体の関係はなかったと釈明するが、あえなく家を追い出され、ヤケになったフェデリコはその足でソフィアの家を訪れ、ついに彼女と一線を越えてしまう。それを知ったバネッサはさらに激怒し、アンジェリカと共にソフィアの元を訪れて彼女の車を破壊し報復する。そして車を壊されたソフィアに怒りの電話を受けたフェデリコは、自分以外にも別に2人男がいたことを知らされ、2人の不倫関係は終焉を迎えることとなる。
家を追い出されたフェデリコはフィッシャー家に居候することになったが、バネッサやフリオたち家族と離れて暮らすことは耐え難いことだった。フェデリコは自分の罪を認め、バネッサへ心からの謝罪をする。そして家に戻らせて欲しいこと、再び夫婦として暮らしたいことを伝える。しかしバネッサは謝罪は受け入れたものの、復縁はお互いの状況が変わってしまった今では無理だと断り、離婚を申し出るのであった。