ホワイトクリスマス

「クリスマスも結局、練習かー」
冗談めかして、不動が呟くと、
「当たり前だろう」
後ろにいた佐久間が言葉を拾った。
どちらともなく白い息が溢れる。

「寒いと思ったら、雪、降ってきたな」
空を見上げて、不動が笑う。
「もう、俺ら、クリスマスプレゼントって、喜ぶ年齢でもないよな」
不動の言葉に、佐久間も微かに頷く。
しばらく2人で雪を見て、気づくと、どちらともなく見つめ合った。

「メリークリスマス、佐久間」
照れたように笑う不動に、
佐久間は、緩く微笑んだ。
「メリークリスマス不動」
言いながら、佐久間は不動の頭を撫でるように、少し積もった雪を優しく払う。
暫くなすがままにされていた不動だが、急にその手を掴んだ。
佐久間の手を握りながら、
「でも、俺は、プレゼント、もう、もらってる、感じがする」
不敵に笑って、
佐久間の手に唇を寄せた。
ちゅっ、と、微かに触れるだけの、淡いキス。
ふわふわと舞う雪のような儚さ。

真っ赤な佐久間を後に、不動は不敵に笑んで寮へ走った。

不動の満足度が分かる軽い足取りだった。

対する佐久間は、縫い止められたように、暫くその場を動けなかったのだった。


付き合う前の不動+佐久間
友人のキンカザンゴーさんクリスマスプレゼントでお話をいただきました
甘い甘い不動+佐久間、本当にありがとうございます
不動がふわっと幸せに気づくところ最高です、ありがとうございます

error: Content is protected !!