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2004年10月09日
「残酷な神が支配する 1~14」萩尾望都
またもや部屋に転がっていたので、一気に読みふけってしまった。これまで読んでいなかったことが少々問題のような気がしないではないのだが。何だかこう過去でも現代でもありそう(というかあると思われる)な話だな、途中までは。だからこそ余計に気味が悪い。
死んでしまった相手というのは、もちろん物理的には自分にかかわってくることはないわけだけれど、自分の心持ちひとつで様々に形を変えて影響を与えてくるのがやっかいだ。それは痛切に思う。自分だけではなく周囲の人々に対しても。
自分が思ってきた誰かの姿なんて本当の誰かではないのかもしれないし、そもそも本当の誰かって何だ?という。まあ、でもこんなことは本筋ではないのか?
後半になってくると、主人公の落ちっぷりやら義兄の行動やらが「これは『風と木の詩』なのか?」と錯覚を覚えそうになるような展開にくらくらくるんだが、テーマが大幅に違うので随分と雰囲気は異なるか。前半は主人公が受けた虐待を、後半はそれらが残した傷跡を描いているのだと思うのだけれど、何しろ最後の数冊を手に入れられなくて読んでいないので判らない。
少なくとも私はこの漫画の同性愛描写なんかで萌えることはないし、ボーイズラブ的な楽しみなんてない。それはだけど、「風と木の詩」でも同じで、重たい何かがそこに横たわっているときっとダメなんだと思う。読み物としてはとても読み応えがあると思うのだけれど、楽しくは読めない。(その昔、女子高生の頃に、「間の楔」を読んだ時に思ったんだけれどね) もちろん好きな作家には違いないのだけれど、私が楽しめるボーイズラブというのは(以前ももしかしたら書いたかもしれないが)明るい男女交際同性バージョンというか。もちろんそこには色々悩みとかあるのだけれど、それでもどこかまっすぐな感じのものなのよ。割とそういう世界にずぶずぶ感情移入するタイプな人間なもので。
部屋にある分を読み終わり、随分と気分が滅入ったものですが、続きを持っておられる友人知人の方がいらっしゃったらご一報くださいませ~(笑)
投稿者 kaori : 2004年10月09日 23:59
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