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» 「世界同時不況」読了 date : 2009/04/13
岩田規久男著「世界同時不況」読了。

現在の不況には大規模な金融緩和政策と、それに応じた(公共事業含む)財政出動
をしろ、という本。

内容的には極めてオーソドックスで穏当、特に新たに仕入れた知識はなし。
しかし、こういう本読むと、日銀のグズっぷり、無能っぷりには眩暈を
覚えさせられる。
こんな連中に”独立性”なんてもんを与えてしまったのは、”キ○○イに刃物”の
ような恐ろしさを感じてしまう・・・。
経済政策の方向性は政府が決めた上で、実現のための手段は日銀に任す、
ってえのが一般的な”独立性”の意味だと思うが、今の日銀はそもそも政府の
方向性に従わないから頭が痛い。そんでもって、その根拠に「日銀の独立性」
だもんなあ・・・。

筆者の論には概ね賛成だが、日本の成長を今後も外需頼みとしているのは疑問。
今までの経済成長が外需主導だったのはしょうがないけど、アメリカや日本のような
資本主義の先進国は、GDPの大半が内需で占められている。
外需に頼っていると、今回のように海外の景気と為替レートで国内の経済が
大きく左右されてしまう。60%を外需に頼るお隣韓国経済の不安定さを
思えば、やはり日本は内需を堅調に拡大していく方策を立てていくべきだと思う。

外需頼みは極論すれば、国内の労働者を極貧で働かせて商品を作り、海外の
購買者に売ることが出来れば、内需がたとえ壊滅的になろうとも企業は儲けられる、
という事に他ならない。

トヨタのような企業は、現在のような世界的不況の場合、海外の金持ちに
レクサス1台売ることに努力を傾注するよりも、国内の一般庶民にカローラ100台
売ることを考えた方がいい。
企業努力で限界があるなら、政府がそういう風に誘導すべきだと思う。
(そのための財政政策、金融政策なんだけれども。)

外需ももちろん大事だけど、昨今日本がこれだけの不況にあえいでいるのは、
ここ十年くらいのあまりの内需軽視(国内労働者に利益を還元しない構造)にも
一定の原因があるのでは?
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  posted at 2009/04/13 3:13:18
lastupdate at 2009/04/14 22:08:18
»category : 書評修正

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