» 「検察捜査」読了 | date : 2008/09/28 | |
中嶋 博行著「検察捜査」読了。 以下あらすじ。 美貌の女検事岩崎紀美子は、大物弁護士、西垣文雄の惨殺事件を調査するように、 上層部からの命令を受ける。被害者が法曹界の大物だけに、警察のみに一任することなく、 検察庁が直々に調査を進めるという方針が決定したらしい。 しかし、紀美子がその担当に選ばれた理由は、マスコミ受けを狙ってのものらしかった。 上層部の意図に辟易しながらも、検事として自らの誇りのために粛々と 捜査を進める紀美子。 そして浮かび上がってきた真実は、非常に大きなものだったのだが・・・。 1994年度の江戸川乱歩賞受賞作との事。 当時28歳だった岩崎紀美子さんは40代前半になっているはずである。 一体どんな歳の取り方をしてるやら。 殺人の動機と連なるバックボーンは面白いが、いわゆる本格としての体は なしていないと思う。 そもそも本書はリーガルミステリと分類されているから、 別に本格のようにフェアに手がかりを出して戦う必要性は皆無、出された結論を そのまま飲み込めばOKなのかもしれないが、せっかく殺人と犯人がセットに なっているのだから、もう少し手がかりや伏線を張ってくれてもよかったように思う。 動機に関する伏線は、比較的よく回収されていたので、フーダニットというよりも、 ホワイダニットとして読むべきなのかもしれないが、もう少し本格推理みたいに 謎解きに関する味付けを用意できれば、さらに面白くなったような気がしないでもない。 一個の小説として読めば、普通に楽しめるとは思うが。 しかし14年前ともなれば、時代がこんなに違うものかと。 一番違いを感じさせられるのが、携帯電話が無いこと。これで連絡の付く付かないが 今と全く違う状況である事を理解させられる。 |
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posted at 2008/09/28 2:56:49
lastupdate at 2008/09/28 4:50:08 »category : 書評 【修正】 |
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