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» 「マルクスる?」ざっとナナメ読み date : 2008/03/02
木暮太一著「マルクスる?」をざっとナナメ読み。

マルクスの「資本論」のうち、経済学的側面を抜き出して、より簡単に著述した入門書。

マルクスの思想でいつも思うのだが、結局マルクスって供給サイドのことばっかり
考えて需要サイドのことをあんまり考えてない人なのかなあ、というのが実感。
じかに資本論を読んだわけではないので、断定はできないのだけれど。

資本家が生産効率とより多くの利益を追求すると、労働者の労働価値は下がって
より酷い目にあう・・・・・万国の労働者団結せよ!資本家どもをぶっ殺して
共産主義革命だー!
って剰余価値の理屈は確かにそうなんだろうけれども、生産力が爆発的に
高まれば消費者にとっては価格の圧倒的下落というメリットも伴うわけで。

労働者は生産者であると同時に消費者でもあるのだから、
100個しか作れなかったものが1000個作れるようになったら、そら1個分の
労働価値は減じているかもしれないけれど、何倍も安く消費できるようになってる。
ということは、労働者個人にとっても収支がプラスに働くことも十分ありうる。

資本家だって資本家だけにモノ売って暮らす事はできないわけだから、
労働者も消費者としてモノを買わす事を考えたら、言うてもそんなに邪険には
扱えないわけで。

もっとも資本家が儲けすぎて所得の再配分が上手くいかなくなり、
労働者の首を絞めている、という事は現在でもよく起こっていることで、
セーフティネットとしての政治のウエイトは大きいと思うけどね。
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  posted at 2008/03/02 6:32:01
lastupdate at 2008/03/02 6:34:32
»category : 書評修正

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