» 「13階段」読了 | date : 2007/11/17 | |
高野和明著「13階段」読了。 あらすじ 傷害致死の刑期を勤め終えた青年三上は、刑務官の南郷に誘われて、 弁護事務所の仕事を手伝うことになった。それは、死刑間近の囚人樹原が、 弁護士に必死に訴えかける冤罪の主張を、独自に調査するというものだった。 調査を進めるうち、三上や南郷は自分の過去と向かい合う事になり・・・ 時間つぶしが必要な時に、本を買って読むことが多いのだが、大抵の場合 「失敗した・・・」と思うことが多い。 しかもこの小説は既に映画化されていて、あまり評判が芳しくなかったらしい。 自分はそのこと自体も知らず、とりあえず手に取っただけなのだが。 読んでみた感想は、「よく出来ている」。 死刑制度についての真摯な問いかけと、二人の男が背負う過去の重圧、 そして真相を追い詰めていくサスペンス的展開、最後に明かされる意外な犯人と、 総合的に非常に良くできた小説。 本格推理として読んでいっても伏線もよく張られており、「なるほど」と 思わせられる事が多い。 珍しく、「当たり」。文体も平易で読みやすく、ストーリーテリングも巧いため、 物語にどんどん引き込まれていく。 作者は映画の脚本畑出身という事なので、こういう技術はお手のもなのかも 知れない。 ちなみに、作者が訴えかける死刑制度の是非は、自分は呉智英氏の唱える 「仇討ち制度」復活に賛成なので、そうすりゃ万事解決じゃねえか、とも思ったりした。 |
||
Trackback URL -->
クリップボードへコピーする場合は こちらをクリック(Win+IEのみ) |
||
posted at 2007/11/17 21:24:14
lastupdate at 2007/11/17 21:25:09 »category : 書評 【修正】 |
:: trackback :: |