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» 有栖川有栖著「女王国の城」読了 date : 2007/11/13
女王国の城」読了。
最近の本格推理小説家の中では、個人的にその腕を比較的信用している
有栖川有栖の江神シリーズ最新長編。多分、今年の「このミス」には確実に
ランクインするであろうと思われる。

英都大学推理研の部長である、江神が新興宗教の本拠地に乗り込んだまま
連絡を絶った。
普段の江神らしくないやり方をいぶかしんだ推理研の面々が、彼を追って
その村へと乗り込む。
そこには、適度にモダナイズされた一見人畜無害の新興宗教が、寂れた山奥の
村興しの一助となって、不思議な秩序を醸し出していた。

部外者でも気軽に入れると言う「城」のような本山に、推理研の面々は希望して
立ち入ったのだが、そこで殺人事件に遭遇した彼らは、
「犯人を自分達で見つけ出す」という信者達の方針のため、犯人の可能性ありとして
「城」の中に囚われてしまう・・・・。


というあらすじで。
相変わらず端正なロジックで犯人を割り出していく手腕は有栖川有栖の独壇場とも
言えるべきものだが、状況を成立させるために用いられるロジックの中には、
やや苦しいものも感じられる。

また、ラストの”真打ち登場”もなんだかなあ。こっちの方が、自分的にはあまり
納得いかなかったかも知れない。

あくまで個人の意見だが、昨年の「乱鴉の島」の方が、本格推理としては
良かった。但し、途中のストーリー展開の面白さは、こちらの方が上か。
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  posted at 2007/11/13 3:30:00
lastupdate at 2007/11/13 3:30:00
»category : 書評修正

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