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» 「赤毛のレドメイン家」読了 date : 2009/06/03
イーデン・フィルポッツ著「赤毛のレドメイン家」読了。

まだ読んでいなかった歴史的名作推理小説をこの度読了。

以下あらすじ

第一次大戦に参加して以来神経症で若干精神を患ったロバート・レドメイン大尉は
長年、姪のジェニー・ペンディーンの結婚を認めておらず、
その夫マイクル・ペンディーンとの折り合いも悪かった。
しかし、ジェニーの説得に折れてマイクルと和解し、この度ようやく平和な関係を
築こうとしていた。
その矢先、オートバイでマイクルと一緒に出かけたロバートは、どうやら再び
マイクルと仲たがいし、彼を殺害して失踪してしまう。
現場と思しきところに大量に残された血痕と、その後の彼の足取りから、
マイクルの死体は海中に捨てられ、ロバート自身はバイクに乗って逃亡した模様。
目撃談が数多く寄せられ、警察は網を張るのだが、その包囲を突破し、ロバートは
消えうせてしまう。
夫を叔父の手によって亡くし、傷心の寡婦となったジェニーは、残る二人の叔父の
うちの一人、ベンディゴ・レドメインの元に身を寄せ、静かに暮らし始めたのだが。
そこへもまた、あのロバート・レドメインの影が・・・・。
美貌の寡婦ジェニーに信頼を寄せられ、奮起するスコットランドヤードの敏腕刑事
マーク・ブレンドンは、ロバートを捕らえるべく万全の体勢で挑むのだが、
彼をもってしても第二の惨劇を防ぐことはできなかった・・・・・!


いわゆる推理小説の中でも古典と呼ばれる作品で、今となっては色々と弱点が
多い。
真相は非常によく練られた精緻なものではあるが、そこにたどり着くまでに
これでもかこれでもかとヒントが提示されるので、巻末に到達する頃には
「はいはい、もうわかりました」状態に。

それはそれでいいんだけれども、終盤に至って同じだけの情報を持っているはずの
劇中捜査陣が、相変わらずグダグダの捜査っぷりでミスばっかりやらかしているの
を見て、正直イライラしてしまう。
「それは見え見えだろ・・・・何やってんだお前ら」といった感じ。

今時の探偵小説では絶対に失敗しないところでヘボすぎる失敗ばっかりやらかして
いるので、正直情けなくなってくる。

同じように古典たる「黄色い部屋の秘密」にも、今の目で見ると推理小説としては
問題の目立つ所が多いが、それは十分個人的に擁護できるものの、本小説に
関しては「古典だから」「この手のトリックの元祖だから」みたいな理由だけで弁護は
苦しいと感じた。

話的には決してつまらない訳ではなくて、小説家として十分な地位にあった
フィルポッツの手腕は伊達ではなく、ラストまできっちり読ませてくれる面白さは
あるのだが、推理小説としてみた場合、「古典」の冠を付けても「これはちょっと・・・」
といった感じ。
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  posted at 2009/06/03 3:09:13
lastupdate at 2009/06/03 3:15:18
»category : 書評修正

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