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2005年02月02日

「約三十の嘘」

何故見に行ったかって、そりゃミーハーだもん、キャストが豪華だったからに決まってんじゃん(笑) あとタイトル(「約三十の嘘」)。ええええ、浅はかな女ですよ、私は。椎名桔平・中谷美紀・妻夫木聡・田辺誠一・八嶋智人・伴杏里(彼女はどうでも良かったけど)、そしてストーリーはと言えば、全て列車の中だけで事件が起こるという設定。それだけで十分面白そうじゃないですか。……と思ったら、舞台が先なのね。言われてみれば、確かに舞台っぽい。

昔の仕事で起こった裏切り事件をきっかけに崩れてしまった詐欺師チーム。チーフだった男は随分とかつての面影を伺うことすらできないほどダメダメになっており、今では「のど飴依存症」。ところが、メンバーのひとりが再びチームで仕事をしようと呼びかけ実行に移すところから物語が始まる。しかし、集まったメンバーの中には、かつての事件で共犯と疑われていた女も含まれていた。
まんまと詐欺を成功させた彼らだったが、稼いだ7000万円が帰りの車中から忽然と姿を消してしまう。裏切り者は誰か。それぞれの思惑の中で、疑心暗鬼になる6人の詐欺師達……。

椎名桔平、いい男だなぁ。妻夫木くんも可愛い。当然、中谷美紀は素敵だし。つまり、それぞれの役者さんの持ち味が引き出された作品であると思う。話のメリハリもついているし、だからテンポも良くて列車内だけの舞台でも、それほど飽きさせることはない感じ。が、欲を言えばもうちょっと広がりがあっても良かったかも。せっかくこれだけ豪華な役者さん使っているんだし、それぞれの人物を少し深く掘り下げて欲しかったりとか。

消えたお金をめぐり裏切り者を見つけるというストーリーは表向き(?)で、ホントはラブストーリーというか友情というか信頼関係というかそういうものに重きを置いているところが面白い。(詐欺師だって言ってるのね:笑) もしかするとそのあたりがつまらないという人もいるかもしれないけど、私は好き。盗みとか裏切りのテクニックとかそういうのがメインじゃなくて、群像劇なんだよね? これ。
誰がメインということもなくそれぞれに見せ場があるのだけれど、やっぱり椎名桔平なんでしょうかね。結局は、チーフの立ち直り物語なわけだしさ。「のど飴依存症」で、途中までほんっとにやる気のなかった彼が、後半部分的に豹変するわけだけど、もうねー、かっこいいとしか言いようがございません(笑) そら、男を手玉に取る女も本気になりかけるわさ。だけど、伴杏里はちょっといただけないかなぁ。オーディションで決めたってホント? 他のメンバーの中に彼女だけ思い切り埋没してしまっている気がしたのは、おそらく私だけじゃないはずだ。中谷美紀の向こうをはって、男達を手玉に取る女にしてはちょっとインパクトが弱すぎる気がするんだけど、現実として最終的に男を落とすのはああいうタイプの女性なのかもしれないとか、何故だか頭を抱えてしまう私ではありますが。でもやっぱり、中谷美紀でしょ。最後に笑うのはああいう女性だと思いたい。ラスト近くの中谷美紀と椎名桔平のからみ。女の私でさえ、涎でそうだった!(笑)

それから、クレイジーケンバンドの音楽が、計16曲(だっけ?)使われているそうな。それぞれの役者さんやら場面によって使い分けられているらしい。音楽が彼らなのは知っていたけど、ストーリーを追かけるのに必死でそこまで注意してなかった。(だから、ミーハーだっての:苦笑) DVDを買った暁には、きちんともう1回見てみよう。

関係ないけど、今回の椎名桔平の役どころ。あまりにも知人にそっくりで、それがツボにはまってしまった。顔がやや似ているところもさることながら、態度とかまさしく彼!といった感じでにやにや。いるよなこういう人。普段はへらへらとした感じで掴みどころがなくて何考えてるか判らないけど、全部わざとでホントは切れるってタイプ。

渋谷での公開はもう終わっちゃうけど、普通にオススメ。

投稿者 kaori : 2005年02月02日 23:59

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