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2004年01月03日

吉野朔実「透明人間の失踪」

最近、以前にも増して病んでいる話が多くなった気がする。多くなった、というよりはほとんどがそう。いや、でも昔からか。彼女の作品で、普通の恋愛少女漫画なんて見たことない気がするし。(初期の頃は別だけれど) だから、私がこんな風に思うのは病み度(闇度?)が高くなった印象を受けるからだと思う。しかも、近頃短編が多くてやたら数があるような錯覚に陥ってしまうのよね。

そんなわけで、相変わらずの吉野節。全て短編なので、表題作以外にも何本か。どれをとってみてもテンポ良く話は進んでいくし、コミカルな部分もありつつ、でもどんよ~り。人は誰しも多かれ少なかれ狂気を隠し持っているもので。出来るなら表にあらわさずに生きていきたいなと。あ、唯一最後のものは普通に面白かったけど。

しかしですね、表題作の主人公、ツメが甘い気がするぞ。彼女ですら辿れた道筋なのだから、日本の警察だったら簡単にそこまで辿り着くと思われ。若干の混乱はあるかもしれないけど、足がつくのはとても早い気がする。多くの人に面割れてるし。
なるほどそういう人もいるかもしれないよな、と発想に関して面白い話だなと思ったのだけれど、完全犯罪っぽい話の多い彼女の作品にしては、何か微妙な感じ。

ところで。最近あまり新刊が出ないのね。さっきアマゾンで調べてみたら、やはり1年に約1冊ペース。現在は、過去の作品の長編部門が片っ端から文庫化されているみたいだけど。私としては、短編が文庫化されたら買うかな。ぶ~けコミックスなんて最近滅多に手に入らないもの。長編は全部持ってるから今さら文庫はいらないし。うーん。

投稿者 kaori : 2004年01月03日 19:30

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