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2003年09月03日
沢木耕太郎「彼らの流儀」
基本的にノンフィクションはあまり読まないのだが、最近若干読んでいる気がするな。今回は、東京駅構内の書店で物色中に、たまたま沢木耕太郎の文字が目に入ったので購入。友人による「この作品の文章が好き」という言葉をふと思い出しこの本を。
それにしても。ほぼ全て、どれをとっても感傷的。個人的には感傷的な文章を決して嫌いではなく、むしろ好んでいると思う。(それに対しては色々思うところがある方もおいででしょうが、何しろ個人的な趣味なんで:笑) 選んでいるわけではないのだけれど、最近読む本はフィクション・ノンフィクションにかかわらずこういう雰囲気のものが多い。もしかしたら歩めたかもしれない人生へ残る思いと、そして歩んでいる、歩んできた人生への後悔(というのも違う気がするけど)や満足感。結局は見知らぬ誰かの物語なのだけれど、自分に重なる何かがそこにはある。読みながら、何ともいえない気持ちになる一瞬が少し嫌いでもあり。
これまでだってきっと同じような本を読んでいたのだろう。けれど、ひっかかるようになっているのは岐路に立っているのだと無意識に思っているからなのかしら。
胡桃のような堅牢な人生を送れるのは、そんな風に生きることが何か特別なことだなんて思わない人だけなのだよ、と。
この言葉が、かなり痛い。
ところで。これ、文庫の初版は平成8年なのね。さらに遡って単行本は平成3年? ええと、平成3年ということは、高校3年生。その頃の私はなーんも知らなかったし、なーんも考えてはいなかった(それは今も何ら変わっていない)。とにかく実家を出ることだけを考えて生きていたと思う。本を読んだって、何がどうということはないかもしれない。でも何か違ったかもしれない。私が後悔するとすれば、あの頃の読書傾向か(笑) 情けない話ではある。
投稿者 kaori : 2003年09月03日 12:18
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