» 「サム・ホーソーンの事件簿V」読了 | date : 2008/10/14 | |
エドワード・D・ホック著「サム・ホーソーンの事件簿V」読了。 古典的本格推理派の巨匠であり、短編ミステリの名手、エドワード・D・ホックの サム・ホーソーンものの第5作。 相変わらずの不可能犯罪が連発する短編推理が目白押しだが、魅力的な謎を 構築することに全力のあまり、解決篇にやや粗が目立つようになって来ている。 ここらへんは、回を追うごとに面白くなっていった怪盗ニックものとは好対照。 ニックが変則的でアイディアが出しやすいのに対し、正統派の本格ミステリである サム・ホーソーンものはトリックの作り方が難しくなっているのかもしれない。 とはいえ、「田舎道に立つ郵便受けの謎」や、「黄色い壁紙の謎」といった、 相変わらずホックの斬れ味を示す優れた作品もあるのだが。 未訳の分を含めると、第二次大戦明けまで物語は果たして続くのか? ところで、作者のホックは残念ながら今年1月に亡くなってしまった・・・・。 死ぬ間際まで旺盛な創作意欲を見せていただけに、米国では数少ない古典的 本格派の重鎮の急逝は本当に惜しい。 |
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posted at 2008/10/14 23:41:47
lastupdate at 2008/10/14 23:41:47 »category : 書評 【修正】 |
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