reload
«« 2007M−1 | main | メリークリスマス! »»

«« カテゴリ内前記事(「チーム・バチスタの栄光」クランクアップ) | 映画関連 | カテゴリ内次記事(「チームバチスタの栄光」観劇) »»

 
» 映画「魍魎の匣」観劇 date : 2007/12/24
映画「魍魎の匣」を見てきた。

あの複雑怪奇な原作を、2時間の映画の枠に収める事の困難を思えば、
多少のストーリー手順の改変や、説明的描写の付与は致し方のないところ。

それを念頭において見たのだが。

確かに序盤から中盤、小説のストーリーを追うことにかけては
見事な編集と言っていい。また、終盤の映像の作り方も秀逸なものがある。

しかし、「魍魎の匣」最大のテーマである、「魍魎」モチーフの強烈な提示、
「箱の中で佇む美少女の生首」の幻想、そしてその幻想に取り付かれた
久保峻公が描く小説。

原作では、上記のイメージが冒頭で何度も書かれるがゆえに、
最終局面で明かされる真相が驚愕になるわけで、映画ではそれらが蔑ろに
されるため、京極堂の憑き物落としが炸裂しない不発弾になってしまう。

映像のよさや、ストーリーを苦心惨憺でまとめあげた脚本の努力を思えば、
「駄作」とばっさり切り捨てることは忍びないのだが。
原作「魍魎の匣」を読む気がなければ、あの映画でも十分楽しめると思うし、
一個の映画としてみればそれほど出来は悪くない。

しかし、日本推理作家協会賞を受賞したミステリーとしての「魍魎の匣」を思えば、
あのまとめ方では許せないものがあるのだ。

小説「魍魎の匣」が好きなだけにね。
まあマイフェイバリットは第四作「鉄鼠の檻」だったりする訳だが。
Trackback URL -->
クリップボードへコピーする場合は こちらをクリック(Win+IEのみ)
  posted at 2007/12/24 2:12:17
lastupdate at 2008/09/20 9:28:52
»category : 映画関連修正

:: trackback ::
魍魎の匣
DVDで借りて観ました。魍魎の匣 スタンダード・エディション谷村美月, 柄本明, 田中麗奈, 椎名桔平, 原田眞人ジェネオン エンタテインメント 2...
blog name :: されど偽りの日々 at 2008/09/09 15:17:03


:: pplog ::