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» 「犬神家の一族」再読 date : 2006/12/09
横溝正史著「犬神家の一族」再読。

近日映画公開という事で、それを観にいくつもりなのだが、昔読んだ記憶を
呼び起こそうと、購入して再読。
福井の実家の方に、杉本一文さんの表紙絵である旧版の文庫があるはずなのだが、
今回購入したのは、最近増刷のもの。映画キャンペーンという事で、佐清さんの
ゴムマスクどアップの表紙である。
最近の角川の横溝正史モノは、みんな表紙のデザインが酷くしょぼくなって
目も当てられないのだが、これはまだ佐清マスクの写真が貼ってあるだけ
マシな方である。
昔は杉本画伯によるおどろおどろしい表紙絵が描かれていて、読む前から
雰囲気を盛り上げてくれたものだが、なんであの表紙やめちまったんだろうね。
新しくすりゃいいってものでもないだろうに。

ヤフオクとかでも、昔の表紙絵版は高く取引されている。角川の担当者は
何か考えることはないのか。

小説の話に戻る。以下あらすじ
長野県で立志伝中の人物、犬神財閥の当主、犬神佐兵衛が病没した。
彼には3人の娘と、その息子らである3人の孫がいたが、
遺言により全財産は、佐兵衛の恩人の孫、野々宮珠世に譲られる事となった。
しかし、それには条件があり、珠世は、犬神家の3人の孫のうちから、一人を婿に
選ばなければならない、というものであった。
珠世を何としても嫁に迎えるべく、3人の娘とその息子達による血族同士の醜い
争いが始まったが、その最中、陰惨な殺人事件が発生するのだった・・・。

という訳で、久々に通して読むと極めてオーソドックスな推理小説。
横溝正史は好きな作家だが、その作品の中でも、あまり高い点数はつけられない
平凡な作品だとも言える。
トリックの切れ味は「本陣殺人事件」に劣り、見立て殺人の技巧は「獄門島」や
「悪魔の手毬歌」に軍配が上がる。
スリルやサスペンスにおいては「八つ墓村」「悪霊島」の方が上だろう。

ただ、3人の息子のうちの佐清の、戦傷による醜く変化した顔と、
それを覆い隠すゴムマスクの存在が異様で、この作品の雰囲気を独特なもの
足らしめている。
まあそれが映像化しやすい理由でもあるのだろう。
ストーリーも「八つ墓村」よりはシンプルだし。

さて、前知識の準備はOKなので、あとは映画を見るだけである。
個人的には史上最高と思っている石坂金田一が約30年ぶりに復活するので、
観にいくようなもの。

ただ、絶世の美女、珠世が松島菜々子かよ・・・・。
ルックスには好みがあるから「絶世の」は再現されなくてもしょうがないのだが、
今更三十路をとっくにオーバーした松島菜々子が、
二十六歳の設定である”珠世”を演じるのはちょっと抵抗がある。
とはいえ適年齢で「これは!」と思える女優さんが少ないのも事実。

早く、香椎由宇、新垣結衣、石田未来あたりが数年後に、このポジションに
取って代わって欲しいものだ。

あ、でも長澤まさみはやめてくれ。「また長澤かよ」感が出てしまうので。
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  posted at 2006/12/09 4:17:52
lastupdate at 2006/12/10 3:08:00
»category : 書評修正

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