» 各経済学者の本を読んで | date : 2006/11/03 | |
ポール・クルーグマン著「良い経済学悪い経済学」「恐慌の罠」読了。 藪下史郎著「非対称情報の経済学」読了。 藪下史郎、荒木一法編著「スティグリッツ早稲田大学講義録」読んでる最中。 経済とは、早い話がいかに金を上手に使わせるか、 あるいはいかに上手に金を使うか、に集約されるんだなあ、と実感。 金を使わないと会社が儲からない→会社が儲からないと社員の給料が減る→ →社員の給料が減ると社員が金をケチるようになる→先頭に戻るである。 この間、会社はモノやサービスが売れないもんだから、 それらの値段を下げざるを得ず、値段が下がるとさらに会社の儲けが下がって 社員の給料が減る。 また、モノの値段が下がり続けると、今日1000円のものが明日900円に、 明日900円のモノがあさって800円になっていく。 相対的にお金の価値がどんどん上がっていくので、それならお金は使うより 貯めたほうがいい、という結論になってしまう。 んで、また人々がお金を使うのを渋ると、さらに社会のうちでお金を使う量が減り、 人々の懐に入るお金も減り続けていく・・・・。 っつーのがデフレスパイラル。 自分達は消費者であるだけでなく、モノやサービスを売っている生産者でも ある、という視点が欠落していると、大きな失敗をするような気がする。 お金を使わずして、お金を儲けることは難しいのだな。 「金は天下の廻り物」なのである。 あと、日本のGDP中、輸出が占める割合は14.5%。 つまり85.5%は、日本国内で生産したものは日本国内で消費されているという事。 だから、海外との取引が景気に占める割合もそんなもんでしかない、という事。 最近急上昇している中国との取引だって、せいぜい4%くらいにしかならない。 つまり、真に景気を良くするには、海外の市場でモノを売ることではなく、 国内の人たちがモノを買ってくれるようにしなければ駄目だ、という事。 企業は、日本国内で商売が出来なくても、海外市場に逃げる事ができるけど、 国家は、国内市場を景気良くするように働かなければ、国民の生活が成り立たない。 逆に言えば、国際競争力なんてものは企業が身につけるものであって、 国家間で争うものではない、という事。 国は、国民の収入の中央値を押し上げる努力をしなきゃ駄目だ。 などなど、色々勉強になった。 |
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posted at 2006/11/03 17:20:24
lastupdate at 2006/11/04 0:19:05 »category : 書評 【修正】 |
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