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» 大河ドラマ見る date : 2010/04/20
ひさびさに大河ドラマを見た。今年は「龍馬伝」ということで、幕末モノ。
幕末モノの大河は大体視聴率が伸びないと相場が決まっているものなのだが、
「篤姫」は視聴率それなりに取ったらしい。支えていたのは女性の視聴者の
ようだが、要はいかに女の視点に気に入られるかが最近の大河の視聴率必勝法の
ようで。

そりゃあ自分らおっさんの好む展開には絶対にならないわけだ。
見る気も失せるって(笑)。

それでも今回観たのは、そろそろ福井藩関係者が出てくる頃だと思ったからだ。
個人的に地元の偉人達を誰がどのように演じるかは非常に興味がある。

まあ、山口家のルーツは福井藩じゃなくて鯖江藩なので、幕末期ならまだ家は
そっちにあったはず。
福井藩の方を気にするのなら、安政の大獄で井伊の下働きをやって志士を弾圧
しまくった青鬼こと鯖江藩主間部詮勝にも注目せえよ、って話になるのだが、
だって自分は橘曙覧の生家や橋本左内の菩提寺、三岡八郎(後の由利公正)の
邸宅跡、福井城のお堀等々そういうところに親しんで育ったので、勢い福井藩贔屓
になるのはやむをえない。

というわけで、「龍馬伝」でもお出ましになりました前福井藩主にて政事総裁職の
松平春嶽。今回演じるのは夏八木勲さんである。
重厚さでは申し分ないが、龍馬との面会当時、春嶽公は36歳だったので、正直
夏八木さんではいささか歳を取られすぎている、という面はある。しかしまあ、
大河ドラマといえば結構年取った人が若い役を演じてたりするので、そこは不問に
すべきか。
むしろ夏八木さんが演じると、重厚すぎて豪傑風の人物になってしまうのだが、
実際の松平春嶽は頭は素晴らしく切れるがやや優柔不断なところのある、
良くも悪くも育ちのいいボンボン体質があるので、「篤姫」の時に春嶽を演じた
矢島健一さんの方が、雰囲気的には合っているかも知れない。

幕府の政事総裁職という重責にありながら、土佐脱藩浪士で下賎の身と言っても
いい坂本龍馬に軽ーく面会を許しちゃうところなんぞは、人のいい坊ちゃん気質が
良い方向に発揮された場面だと思う。
ちなみに前土佐藩主山内容堂と春嶽は大親友なので、もしそれを知っていてなお
龍馬が春嶽に会いに行ったというのなら、龍馬というのはとてつもないクソ度胸の
持ち主という事になる。

ちなみに家臣のくせして一藩を動かそうとした武市半平太に激怒して、山内容堂は
彼を切腹に追い込むわけだが、同じようなことを実は松平春嶽も行っていて、
改革急進派で藩論を統一して武力で京都に乗り込もうとした三岡八郎に激怒して、
彼を蟄居に追い込むという手段を取っている。

どうも殿様というのは、家臣が好き勝手に振舞うのをえらく嫌うもんらしいが、
土佐藩にせよ福井藩にせよ、これで国政の主導権を握るチャンスを自ら潰して
しまった訳で、維新事の活躍に於いて勝った長州や薩摩との命運を分けた
分水嶺となっている。

ともあれ、半平太を切腹させた容堂と、三岡八郎を蟄居で済ませた春嶽の違い、
ここらへんが、自身が山内家の分家でも一番ランクの下から藩主まで登りつめた
個性とアクの強い容堂と、徳川御三卿田安家のボンボンとして生まれ、早くから
福井藩を継承する事が決まっていたお人よし春嶽との差異になっていると思われ。

維新後三岡八郎は由利公正と名を改め、五箇条の御誓文の草案を作ったり
東京都知事になったりして、明治政界で活躍しているので、やはり有為の人間は
殺しちゃうもんではないよなあ、としみじみ思う。

とりあえずその三岡八郎や、福井藩のブレーンである熊本藩士横井小楠がどう
扱われるかも気になるので、「龍馬伝」も今後は時々見ていくと思う。
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  posted at 2010/04/20 1:27:12
lastupdate at 2010/04/21 1:51:33
»category : 日記修正

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