» 2010年代のTVゲームについて | date : 2010/04/02 | |
2000年代のTVゲーム界を振り返ってみると、前半はPS2が家庭用の主力に なり、後半はWiiなどが主力に。 しかし全体的に大型の据え置きゲーム機は沈滞気味になり、ニンテンドーDSや PSPといった携帯機が幅を効かすようになってきた。 ゲーム業界の総体として言えばマーケットは縮小傾向にあり、セガサターンや PS1で情熱的に沸いた15年前とは正しく隔世の感がある。 ゲーム雑誌自体の数も大幅に減り、ファミ通などの定番雑誌で取り上げられる 内容も大作のロングラン攻略など、ソフトの沈滞化に伴って記事自体のバラエティ も乏しくなってきた。 一時はアーケードを席巻したトレカゲーも一段落、PC上のネットゲームも一頃の 勢いは無く落ち着いており、全体的に閉塞感が漂う。 まあ、何でかという理由さぐりと、2010年代のTVゲームのありかたっつーものを、 つらつらと考えてみようかと思ったり。 ちょっと堅い話になるが、経済の話をば。今の日本はここ十数年、不況不況と 言われて久しい。 んで何を以って不況かというと景気動向指数(DI)を測るっつーのが一番正統な 定義なのだが、ここではGDPの数字に注目してみようと。 1995年 名目GDP 493兆5881億円 実質GDP 479兆1814億円 2008年 名目GDP 494兆2000億円 実質GDP 541兆5000億円 ものすごーくざっくりと言っちゃうと、実質GDPつーのは日本国内で作った ものの総量で、名目GDPっつーのはそれがいくらで売れたかという指標なので、 ここ十数年、日本人は一生懸命ものを作る努力を重ねてコツコツと生産量を 増やしてきたのに、それが売れる値段は十数年前の総額とほとんど変わっていない。 つまり、作る量は増えたのに、売値の総額が変わらないという事は、 一個あたりの値段が下がっているという事だ。 ものの値段が継続的に下がり続けているいわゆるデフレという奴で、 だから日本人全体があんまり儲からないし、買うときは高いものを買おうとしない。 んでこのデフレは1995年からずーっと続いていることになる。 2003年あたりでトヨタやキヤノンは空前の利益を上げてウハウハだったけれど、 あれは派遣労働者などを使って安くものを作り、海外(特にアメリカ)にそれを 売ることでドカドカと儲けていただけで、実際当の日本人の収入はほとんど 変わる事が無く、継続的な好景気なんて1995年以降は実は一回もなかった という悲惨さ。 (瞬間風速的なら、1997年付近のITバブル付近で一瞬景気がよくなったことはある。) 当然一つの家庭で娯楽に使えるお金というのは減りまくりで、試算によると、 1999年よりも2009年では遊び金が一世帯あたり、年間100万も減ってる との事。 2009年の衆議院選挙で自民党が言ってた、「10年後には一世帯あたりの 可処分所得を年間100万円増やす」というマニフェストは実はここに根拠が あって、要は「せめて10年前くらいの景気には戻します」 と言ってただけなのだ。まあ、誰が景気後退させやがったと思ってるんだ、 と言いたくなるところではあるけれど(笑)。 しかし、これだけ遊び金の量が一つの家庭で減るとなると、ゲームなんか まあ売れっこない。 ゲームが面白い面白くない以前に、欲しいと思っている人でも買えない。 自分のような独身のサラリーマンならいざ知らず、同い年くらいの人間でも 妻子持ちだと生活費のみならず、扶養費、マイホーム、教育費と頭痛くなる くらい金が要る。 自分のようなゲーム自体に食傷気味のすれっからしが増えたというだけでは なくて、単純にゲームに使える金が日本人全体で減っているというわけ。 これじゃ斜陽産業になるのも当然といえば当然。 次回続く。 |
||
Trackback URL -->
クリップボードへコピーする場合は こちらをクリック(Win+IEのみ) |
||
posted at 2010/04/02 2:10:24
lastupdate at 2010/04/03 21:55:54 »category : TVゲーム関連 【修正】 |
:: trackback :: |