2002年 アメリカ映画(TVムービー) 99分
監督 - ピーター・アントニエビッチ
現金強奪専門の知能犯テイラー(クリスチャン・スレーター)。彼はマフィアのボスから大金を奪う計画の途中、仲間のミスにより逮捕されてしまった。それから1年後、仮釈放となった彼は、恋人ペイジ(サラ・ダウニング)と愛娘メーガン(ホリストン・コールマン)との今後の生活のために、バージニア(ダリル・ハンナ)ら新しい仲間を集め最後の大仕事を計画する。それは馬券場の売上200万ドルを強奪すること。なんなく計画は成功し、テイラーたちは200万ドルを手にした。しかし盗んだ200万ドルは、なんとFBIのおとり捜査用の特殊マークが刷り込まれていた。このままではこの200万ドルは紙くず同然。仕方なくテイラーはかつての仲間に、多額の手数料を了承して金を洗うことにした。だがテイラーたちがそうこうしている間に、一時とある保管場所に預けていた200万ドルが何者かに盗まれ、しかもメーガンが誘拐されてしまう。
200万ドルを盗み、メーガンを誘拐した犯人は、FBIの汚職捜査官コーネル(ヴァル・キルマー)だった。馬券上でのテイラーたちの強奪計画を目の当たりにした彼は、自分の犯罪計画にテイラーを利用しようと企んだのだ。コーネルはメーガンを人質に、犯罪計画に協力しろとテイラーを脅迫する。娘の命を守るため、仕方なく手を貸すテイラーだったが…。
クリスチャン・スレーターとヴァル・キルマーの2大スター共演のクライム・アクション。アメリカでは劇場公開されず、CATVでの放送のみだった。知能犯テイラーと、彼を利用しようとする悪徳FBI捜査官との対決がメイン…と思いきや、実際には知能犯テイラーvsその他大勢といった感じ。最小限の被害で穏便に事を終わらせたいテイラーに対し、金に目がくらんだ仲間たちが勝手にトラブルを起こし事態を悪化させてしまうからなのだが、そこがおもしろいといえばおもしろいかもしれない。また狙ったかのように古臭いカーチェイスシーン(リア・プロジェクション・エフェクトという、被写体の後ろに映像を流して同時に撮影する方法がとられている)がとても印象的。
クリスチャンは主役の知能犯テイラー役。今作はおそらく彼の出演作では初の最初から子持ちのパパ役。そのくせしっかり現金強奪知能犯なのでノーマルなパパではないのだが、他の作品に比べればかなり普通の部類に入る。「盗みはしないで」と子供に説教されて「しない」と申し訳なさそうに謝る、弱気なんだか親バカなんだかよく分からないクリスチャンを拝める貴重な作品。
ストーリー | ★★★☆☆ : 3 |
安っぽいカーチェイスシーン | ★★★☆☆ : 3 |
子持ちクリスチャン | ★★★☆☆ : 3 |
総評 | ★★★☆☆ : 3 |