バジル
Basil

DATE

1998年 アメリカ映画 104分
監督 - ラダ・バラドワジ

CAST
  • バジル - ジャレッド・レト
  • マニヨン - クリスチャン・スレーター
  • ジュリア - クレア・フォーラニ
  • クララ - レイチェル・ピックアップ
  • フレデリック - デレク・ジャコビ
STORY

 貴族の伝統を守る厳格な父親フレデリック(デレク・ジャコビ)に育てられた、青年バジル(ジャレッド・レト)。彼はある日、崖から転落して身動きが出来ないところをマニヨン(クリスチャン・スレーター)という青年に助けられた。もともと友人のいなかったバジルは彼と友人同士になる。そしてマニヨンを訪ねて向かった彼の店で、バジルはジュリア(クレア・フォーラニ)という美女に出逢い、ひとめ惚れしてしまう。マニヨンの協力もあり、なんとか彼女と結婚したバジルだったが、それにはある陰謀が隠されていたのであった…。

解説

 19世紀ヴィクトリア朝時代の英国を舞台に繰り広げられる、青年貴族バジルの数奇な運命を描いた、ウィルキー・コリンズの同名小説を映画化した作品。主役のバジル役は出演作よりも女性遍歴の方が有名なジャレッド・レトが演じている。世間知らずな貴族青年が長年に渡る復讐劇に巻き込まれていくストーリーはおもしろいが、いかんせんストーリーをかなりはしょった印象がある。(逆に詳しすぎると2時間を越える大作になってしまうのだろうが…)
 クリスチャンはバジルの親友役のマニヨン役で登場。この作品では製作にも名を連ねている。主役はバジルのため、位置的には助演で出番はそこまで多くはないのだが、復讐劇の主役としてかなりオイシイ役柄。しかし公開時に既に悪役であることがバラされていたのが残念。ちなみに管理人にとってはクリスチャンを初めて映画館で観た記念すべき作品である。

ビデオ・DVD・関連書籍など
MY RATE (個人的5段階評価)
ストーリー ★★★★☆ : 4
進行の早さ ★★☆☆☆ : 2
クリスチャンの容姿 ★★☆☆☆ : 2
総評 ★★★☆☆ : 3
感想
…ネタバレ注意…

 私にとっては初めて映画館でクリスチャンを観た作品だったということもあり、何かと思い出深い作品です。この映画公開時に前売り券を買うとサイン入り写真がもらえたので、必死で前売り券を買いに行ったなぁ…。…前置きはさておき映画の内容についてですが、クリスチャンが脇役かつ悪役だったのが新鮮でした。序盤、主人公のバジルを欺いている時は本当にいいお兄さん的雰囲気をかもしだしていたので、「クリスチャンが悪役」という情報が入っていなかったらかなりビックリしてたと思います。映画中盤でマニヨンの裏切りを知ったバジルによって顔をメタメタに踏まれ、後半は覆面姿で登場しますが、その眼だけ覗いてる覆面姿はいつもより眼の魅力が際立っているように見えてこちらも魅力的。(下は特殊メイクでひどい顔なのですが)ちなみにこの覆面姿が、バジルが幼少の頃に描いた覆面男の絵とリンクしているわけですが、こういった細かな伏線がこの映画では多々見受けられます。…回収しきれてない気もしないこともないですが。
 でもバジル(ジャレット・レト)中心で話が進んでいたせいか、肝心のマニヨン(クリスチャン・スレーター)、ジュリア(クレア・フォーラニ)、クララ(レイチェル・ピックアップ)といったキーパーソンの描写があいまいだった気がします。もうちょっとこれらのキャラの出番が多かったら(キャラを掘り下げていたら)、また違う意味でミステリアスな雰囲気になっていたかも…?特にジュリアは「ワケわからんわがままお嬢様」のイメージのまま最後まで突き進んでようやくタネ明かしという感じだったので。初めからマニヨンとジュリアがグルだと分かってたせいも大きいとは思うのですが…。いや、単純にバジルの世間知らずっぷりにイライラしてて他に目がいってなかっただけか!?ちなみにお気に入りキャラはバジルの父親フレデリック。貴族気質を剥き出しにして、庶民との握手後に「汚らわしい」と言わんばかりにハンカチで手をガッシゴッシ拭く姿がとても印象的でした。
 映画館で見た時はラストのマニヨン自殺でうるっと来た(実際に泣いてる人も…)ものですが、いざ家でビデオで見てみたら…、結構手抜き演出が多かったと気づき、「初めて映画館でクリスチャン観ちゃった」という自分の思い出補正っぷりを実感しました。マニヨンの自殺シーンはいいとして、序盤のバジルが海岸で泳いでいたら大雨に見舞われた、というシーンでは明らかに晴れてるのに雷が…。「にわか雨なんだろう」とか思ってたら海岸に上がったバジルのバックでは波打ち際にキラキラと輝く太陽が反射してるわ、雨すら降ってないわ、あげく雷はしょぼいわ…。おそらく低予算だったのだろうと無理やり納得しようとする私でありました。
 既にパンフレットですら酷評していたと噂(私はパンフ買わなかったので…)のこの作品ですが、某雑誌の新作ビデオ紹介の批評文の酷評っぷりがあまりにも不快だったのが今でも記憶に残ってます。確か女性のライターの方が批評なさってたのですが、「まだ若いのにクリスチャン・スレーターがやたら偉そうな演技をしてるのが嫌」とか「クレア・フォーラニのどこが魅力的なのか分からない」やらなんやらかんやら、映画の内容じゃなくて見事なまでのご自身の好み丸出しの出演者バッシング。当然クリスチャン好きの私は本屋で立ち読みしててカチーンですよ!「突っ込むところが違うだろーーー!」と!…すいません、私の方が酷評してますね。

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