二酸化ケイ素
ダイヤモンドと黒鉛は炭素原子だけでできた,共有結合性物質の単体であった。ここで示している二酸化ケイ素は,SiとOの化合物である。左図にその構造を示してある。
図中,緑色の球はSi原子,赤色の球はO原子を示している。各原子の原子価と結合のしかたをよく見て理解しなさい。
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― | Si | ― | O | ― | Si | ― | O | ― |
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| O | | | | O | | | |
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― | Si | ― | O | ― | Si | ― | O | ― |
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| O | | | | O | | | |
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右図は構造式として表わしたものである。Si原子1個に4個のO原子が結合し,O原子には2個のSi原子が結合していることがわかるだろう。
二酸化ケイ素は造岩鉱物のセキエイ,そしてその結晶である水晶を作っている物質であり,また,その他の造岩鉱物の主成分となっている。
ダイヤモンドの構造に似ているが,O原子が2価であることにより,ダイヤモンドより「すき間」の多い構造であることがわかる。そのためもあり,二酸化ケイ素はダイヤモンドよりも軟らかい。
さて,Si原子とO原子の数の比は1:2であることが右図からわかるだろう。すなわち,二酸化ケイ素の組成式は SiO2 である。二酸化ケイ素という名称も,これによることも明らかである。
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