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2005年01月21日

「ターミナル」

感動巨編かと思ったら、コメディ(?)だった。

予告編の作り方は大切だ。使われている映像がどんなシーンなのか判らないから、トム・ハンクスがトム・ハンクスらしい泣き顔でスクリーンにどどーんとどアップで現れたら、それだけでこちらも泣かんとあかんような気分になってくるじゃないですか。おまけに最近は涙腺が相当弱くなっているし。

アメリカに入国しようとした矢先、母国でクーデターが勃発。新政府とアメリカ政府が国交を持たない限り、入国も帰国もできなくなった男。言葉すら全くわからなかった男が空港で生活する姿を、友人や仕事、そして恋、つまり自分の居場所を見つけつつ、心に決めた約束を果たすまでを描く。

こう書くとやっぱり感動巨編だよな。でも、うーん、盛り上がりに欠けるというか最初から最後まで淡々と話が進んでいくというか。彼が空港で待ちつづけた約束ってのがまた「え? そんなことで?」というようなシロモノ。まあ、出国することができないわけだから、どちらにしても帰ることはできなくて待ちつづけるしかないわけだが、どうかなあ? もちろん何が大切かというのは人それぞれで、どんなちっぽけなことであっても当の本人にとっては重要なのだということはわかる。わかるが、映画で共感を呼べないというのは致命的なのでは? だって白けちゃって感情移入できないもん。それ以外にも、そりゃあ嘘でしょうというような内容も多数あり。彼が人気者になっていく過程があまりにも唐突なことやら(それにあんなことであそこまで人気がでんのか?)、彼の本職は何なのかさっぱり判らないことやら、「で、あの女(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)は一体何なの?」ということやら、あれほど固執してたくせにあっさりと彼を逃がす責任者とか、何か理解に苦しむ。そして、盛り上がりに欠けるから途中で退屈してしまった。今か今かとクライマックスを待っていたのに、特別な事件が起こるわけでも何でもなく終わってしまったという感じ。ちりばめられていたのは、クスクス笑い(それもいまいち)くらいで。

トム・ハンクスが出演しているという以外これと言って特には。でも何だかな。トム・ハンクスが出演するにしては何かが足りないというか。映画館はもちろんのことDVDで見る必要も特にないんじゃないかというのが正直なところ。期待し過ぎたのが悪いと言われればその通りなんだけど。思っていたものと全く違ったもんだから。いや、そうでもないな。それを差し引いても……うん、面白くなかったんだ、まったく。

投稿者 kaori : 2005年01月21日 23:55

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