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2004年07月29日

「四人の食卓」

随分と昔に観た気がしますが(笑)
待っていた韓国映画のひとつ。
予告編などを見た限りでは期待大だったけど、感想サイトでの試写会評ではけちょんけちょんだったので、不安と期待入り混じった感じで劇場へ。公開直後だったからだと思うけど、場内はなかなかの入りだった。

サイコホラーものだし、ネタバレしても面白くないので何も書けないに等しいけど、一言で言って「全く救いのない映画」かな。唯一救いになれるかもしれなかった人間すら、最後はそれこそ迷宮におちてしまうというか。

結婚を控えた男は、電車の中で毒殺された姉妹を最後に目撃。亡くなった幼い姉妹は、以後彼の新居の食卓に度々現れる。そして、彼には7歳以前の記憶がない。嗜眠症の女は、人の過去を見ることができる。人より感覚がするどい為か様々な体験をするが、誰も彼女の言葉を信じない。
そんなふたりが知り合ったことにより、最悪の結末に向かって物語が進んでいく。

謎が謎を呼ぶというのは確かで、観終っても解けない謎ばかり。謎解きサイトとか作って欲しいよ。怖い上に謎も解けないし、気分が悪くて仕方ない(笑)
怖いお話の謎解きといえば、その昔「ブレアウィッチプロジェクト」があったけど、あれとはちょっと違う。今回のは気色悪い。嫌悪感と言っても、血がどばーっとかそういうのじゃなくて、いやぁ~な感じだなあ、というか。心にじわじわと迫ってくる嫌悪感。
ブレアウィッチの場合は、じわじわ迫ってくる恐怖感だったけど。

子供の頃、深夜に喉が渇いて仕方なく台所へ向かうことがあった。かなり怖がりなんで、暗い階段の電気をつけ、扉があいたままのお手洗いの横をびくびくしながら通りぬけ、さらに台所の電気をつける。台所の隣には和室があって、そこには仏壇が置かれてある。扉は開け放してあるから、必ずそれが目に入ってしまう。台所の電気をつける瞬間の恐怖。ふっと浮かび上がる食卓。これがほんっとに怖かった。そして、つける時以上に消してその暗闇に背を向けることへの恐怖がものすごかったことを覚えている。決して何が見えるわけではないけれど。
そんなことをふと思い出した。話のテーマとは関係ないけどね。
とにかく、いつか自分がダイニングのある部屋に引っ越せても、大きなテーブルを置くのが怖くなった。ああ、そうだ。見えるということも怖いかもしれないけど、やはり「見えるかもしれない」という恐怖ってすごいと思うな。(だから関係ないってば:笑)

現代韓国の都市事情と心の歪みなんかもさりげなく織り込まれていて、そういった点なんかは興味深くて面白かった。が、おすすめはするけど、嫌な気分になることはうけあい。覚悟して観に行ってくださいませ。

投稿者 kaori : 2004年07月29日 23:28

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