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2003年09月22日

沢木耕太郎「檀」

またしても沢木。近頃、何故か部屋に沢木本放置率が高く、つい手に取ってしまう。これは面白かった。紀貫之だ!(違うって:笑) あくまで著者は沢木耕太郎。でも、檀夫人の一人称。途中からは、彼女が書いているような錯覚を。

さて。あのあたりの時代で名の知れた作家達の日常が、ちらほらとちりばめられているものを読むと、教科書や図書館くらいでしかお目にかかったことのない方々が、実際に存在し暮らしていたのだということを、今さらながらに再確認したりする。当たり前なんだけどね。今、活躍している(とか書くと何か変だけど)作家達だって、この先何十年か後には同じように思われるのかな。うーん。やっぱり違うか。

たいして昔の話ではないのに、随分と遠く感じるのは、結構みんな早死にしてるから? 私達が物心ついてからって、自殺はあっても、それほど若い時期に自殺される作家って少ない気がするし(あくまで感覚)、そもそも痴情のもつれで心中とかなんてないんじゃない?(これも感覚) 浮気したって慰謝料を積まれるくらいで離婚できるし。ま、せいぜい「噂の真相」で数ページの記事をかかれる程度の(笑)

何か話がそれたな。
「惚れたはれただけでは、長いこと一緒にはいられない」という巷でよく言われる教訓めいた言葉を確認できる1冊。それにしても嫉妬という感情は妙だな、と。強い愛情(執着)を持っていなくても、やはりするものなのね。それとも、自分が執着していないと思っているだけで、やはり執着しているのか。あるいは、自分のものが取られるのが単純にいやだということか。

投稿者 kaori : 2003年09月22日 23:59

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