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2005年04月06日
「恋の風景」
病死した恋人が死の直前に描き拘っていた景色を求めて青島にやってきた主人公は、実在するのかどうかわからない風景を地元の郵便配達の青年と共に探し続ける。次第に青年に惹かれていく主人公だが、恋人が幼い頃に生活していたその場所で恋人を忘れていく自分を彼女は許せない。
主人公の女性はとても儚げで、恋人をなくし過去にとらわれている役柄にとてもぴったりきているが、それより何よりも郵便配達の青年だ。「山の郵便配達」でやはり郵便配達役だった彼が、傷心の彼女を見守っていく姿はとても優しい空気に包まれていていい。彼女が恋人に執着する姿に、時折嫉妬する姿さえ可愛らしく、そして切ない。すごくルックスがいいわけではないけれど、とても好感が持てるし、ファンになりそうだ(笑)
郵便配達の彼は絵本作家志望なのだけれど、彼の書く絵は「ターンレフト・ターンライト」原作者であるジミーの作品が用いられている。何だか最近あちこちで目にするような気がするけど気のせいかな? 何というか、某放送局○HKっぽい。嫌いじゃないけど、どこか気恥ずかしいというか。
一言で言ってしまえば、きっとラブストーリーなんだろうけれど、なくしてしまった人を想う静かだけれどやりきれない気持ち(なくなった恋人の日記を毎日書き写すんだよ! これって結構怖いと思う)と、恋のはじまりのやわらかい部分が丁寧に描かれていて、それらが混ざり合って何とも言えない気持ちになった。主人公ふたりはすれ違いそうで、でもきっとこの結末はハッピーエンドなんだろう。最後まで郵便配達の青年は、とてもとてもあたたかかった。
しかし、ジミーの絵がそこに存在するだけで、何故かおとぎ話っぽくなっちゃうのは一体……?
投稿者 kaori : 2005年04月06日 23:11
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