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2005年03月01日

「φは壊れたね」森博嗣

森博嗣待望の新シリーズ、だそうで。何だかんだ言いながら、書店で見かけるとどうしても手にとってそのままレジへ向かってしまうあたり、やはり好きなんだろうなと。今回の決め手は西之園萌絵が再登場するという帯。
個人的に前シリーズ(Vシリーズ)の登場人物よりは、初期シリーズ(S&Mシリーズ)の西之園萌絵&犀川先生の方に魅力を感じるのだった。だから少しウキウキしながら読み始めたのだけれど、今回の主役は彼女達ではなかった。もちろん萌絵は比較的頻繁に登場するが、犀川先生は存在としてはあるもののほとんど登場しない。(一応、見えない場所で同じように謎は解いている模様だか) 萌絵にしてみたって、何だかご隠居さんのようだ(笑) 今回の主役はおそらく大学生の無口な男の子。何だか犀川先生に性格が似ている感じがしなくもなく、本人にとって極めて重きを置いていることだけを口にする。実際に周囲にいたら扱いづらいけど、フィクションの世界でならなかなか好みのタイプ。(だから、犀川先生が好きなのだが) この先、彼がどんな風に話にからんでくるのか楽しみ。そして、案の定萌絵はあの手のタイプが好きだし、年下だから可愛いのであった(笑)

それにしても今回は読み易かった。犀川先生似の今シリーズ主役級である彼以外の新キャラ(?)は、これまでに較べると格段に普通の人で、何だかちょっと味が薄いような気がしてしまうのは、これまでの雰囲気に慣らされてしまっているからか。難しい難しいと言いながら、分かり易くなるとつまらない気がしてしまうのは良くない傾向ね(笑)

肝心の物語はといえば、友人宅で寛いでいた主人公(なのか?)は、ひょんなことから美大生(芸大生だったか)の宙吊り死体に遭遇する。現場は密室。被害者は、果たして自殺なのか殺人なのか。殺人であるならば、密室の謎はどう解かれるのか。大学院生となった西之園萌絵は、後輩達(そして犀川先生)と共に事件の解明に乗り出す。

読み易かったからでしょうかね。あっさり読み終わってしまいましたことよ。このシリーズは何に注目して読んでいけば良いのでしょう。人間関係でいけば、最初の「犀川と萌絵そして四季」、続いて「紅子と保呂草そして林など」、それじゃ今回は? まだこれだけじゃ良く判らない。とりあえず次作を待て、といったところか。

投稿者 kaori : 23:13 | コメント (0) | トラックバック