MSXゲーム界王者の実力 「夢大陸アドベンチャー」

MSXのゲームソフト開発に最も力を入れていてくれたのが、今もゲーム界で大きな地位を占めているコナミであった。開発されるゲームも、他機種からの移植とは一線を画し、MSXオリジナルの良質なソフトを量産していた。
コナミは、ファミコンやその他パソコンでもゲーム開発を行っていたし、それらソフトの中には「スナッチャー」のように高い評価を得てその実力の一端を他のユーザー達に見せ付ける事も度々あった。
しかし、コナミの高い開発能力の恩恵を最大限に受けていたのは、他ならぬMSXユーザーだったであろうと思われる。
MSX、MSX2から産まれた「グラディウス2」「パロディウス」「メタルギア」等々は、様々な機種やアーケードに逆移植され、コナミゲームの源泉の一つとなっていった。

「夢大陸アドベンチャー」は、MSXのみで開発された「けっきょく南極大冒険」の続編で、不治の病にかかった恋人ペン子ちゃんを助けるために、治癒能力のあるリンゴを求めてペンギンが大陸を横断するという物語。
氷上をぴちぴち飛び跳ねる魚を回収すれば、現地の人と物々交換でアイテムが買え、自分の強化が行えるというシステムも持っていた。

アクションゲームとしての難易度は非常に高く、一筋縄ではいかないのだが、とにかく、冒険の舞台やシーン、敵キャラやアイテムが豊富でプレイヤーを飽きさせない。

音楽もPSG音源のみとは思えない素晴らしい出来で、コナミのMSXに賭ける意気込みと恐るべき実力を改めて知らしめる脅威のソフトだった。
(しかし、音楽に関してはこの後「グラディウス2」で、カートリッジ内に音源チップSCCを搭載するというさらに度肝を抜くサプライズを見せてくれるのだが。)
 

パッケージ外観。おなじみメガROMのマーク。この控えめなパッケージの中に、恐るべきゲームが詰まっている。

マニュアル、本体ROMカートリッジ。パッケージの裏面に、「シューティング+RPG」と書かれているが、このゲーム、シューティングでもRPGでもないと思うんだが・・・・。

オープニング画面。病床の女を想って涙する男一匹。

ステージスタート時には、夢大陸のマップ全図が。

まずは森林ステージから。地中から、なぜか魚が飛び出る。魚はお金代わりになるので、集めるべし。

ステージクリア。ペンギン一族の彫像の前で一息つくペンギン。

これがショップ。現地のバーターが地中に潜んでいるので、住み家のクレパスを見つけて飛び込めば、アイテムを売ってくれる。

ショップでは、お金代わりの魚をスロットマシンで一攫千魚することもできる。ぴちぴち。

前作からおなじみ氷上ステージ。画面ではパワーアップアイテムとってきんと雲で進撃中。画面現在左カーブなので、遠心力で右に振られる。

3ステージごとにこっちを邪魔してくるフリーザウルス。手前の杭を打ち込んで氷を落盤させるか、アイテムの銃で弾丸20発ぶち込んで退治する。

こんどは渓谷。流木がうざったい。ジャンプでかわさないと1ミス。

苦労してステージクリアも、好いた女のためなら頑張れるっちゅーもんである。

今度は海底だ!イソギンチャクやらウニらが執拗に邪魔してくる。このペンギンがお前らにいったい何をした。

成層圏上にもペンギンは行く!ボーナスステージで大量お魚ゲットだぜ!

フリーザウルスを撃破したとき、残りタイムの下一桁が偶数ならば、ペンギンのチアリーダーがバトントワリングで祝福してくれる。ちなみに、下一桁の残りタイムが8なら8体のチアリーダー、6なら6体のチアリーダー。ちなみに画面は残りタイム202なので、2体。

ついに伝説のリンゴをゲット。裏技のコンティニューを使えば別だけど、自分の実力ではレベル1でここまでが精一杯。まだ往路の次の復路が待っているというのに・・・・。

後半に行くにつれ、ペンギンを邪魔する敵キャラの数は飛躍的に増え、アクションは熾烈を増す。
そこを潜り抜けてゴールを目指すスリルは非常に素晴らしいものがある。

ちなみに以前ゲームの批評コーナーで書いた、「残りタイムの合算でペン子の生死が決まる」というのは誤りだった模様。どうも、ゲーム中に何回ポーズをかけたか、で決まるらしい。なんじゃそら。

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