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» パラダイス鎖国 date : 2008/11/14
パラダイス鎖国という言葉(書籍)があるが、国内の嗜好(というかメーカの都合)に
あわせた商品ばかりメーカが作り続け、それでも人気があるため十分商売になり、
その旨味を吸い続けた結果、国内メーカが世界基準の商品を作れなくなってしまう、
という現象のことを言うらしい。

典型例が日本の携帯電話で、国内市場に向けて無駄な性能アップと価格アップを
続けた結果、国外に通用する商品を全く作れなくなってしまった。
世界市場では、日本のような無駄な多機能化は目指さずに、データや規格の
互換性を重んじ、基本的能力の性能向上を図りながら、尚且つ価格を低廉に
していくという切磋琢磨で大規模なメーカ間競争が行われていた。

結果、国内需要が飽和した瞬間から市場の凋落が始まり、かといって海外に
進出する技術もインフラも持ち合わせていないという恐ろしい結果になっている。
遅ればせながら各メーカとも世界基準の製品を作るべく技術の研鑽を始めている
らしいが、10年のブランクは大きく、ノキア等の世界的メーカを追いかけることが
できるのかどうか、不安が残るところではある。

次にパラダイス鎖国化するのが、薄型テレビといわれている。
日本のハイビジョンシステムは、コンテンツホルダーの利権にこだわる余り
B−CASカードやコピーガードなどでガチガチに縛られた規格を持っているが、
個人的なダビング等はほぼ自由な他国のメーカにとっては、それらの規格が
非関税障壁となり、日本国内からの撤退が相次いでいる。

家電メーカとしては、国内市場を独占できてウハウハ状態なのだが、同時に
国際基準の製品開発をする事がなくなり、このままでは携帯電話の二の舞だと
言われている。(当然、海外にはB−CASやコピー10などのクソ規格はない!)

国内需要にこだわることは景気回復のためにも重要なことだが、世界的に通用する
製品を産み出しす事こそ、技術と商品力で市場を勝ち抜いてきた日本の産業本来の
十八番ではないか。
国内事情や無駄な規格で海外メーカを締め出して市場の旨味を吸ったところで、
それはメーカの技術が優れているわけでも何でもなく、
ただ目の前にぶら下がっている果実を労なく口にしただけのことに過ぎない。

家電や工業製品の質の高さで伸びてきた日本だが、すでに世界的には
存在感が薄くなりつつあるとの事。
ジャパンバッシングならぬジャパンパッシングという言葉すらあるくらいだが、
上記のような事態からもそういった謂れがなされるようになったのだろうと思う。
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  posted at 2008/11/14 23:52:44
lastupdate at 2008/11/15 8:51:37
»category : 日記修正

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