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» 田舎でのでかい比較実験 date : 2007/11/21
よくある田舎の常識

その1.赤字の鉄道路線に沿線自治体が金を出して維持するのは非効率的で、
     代替バスによって取って代わられるべき

その2.地方のダム建設は旧建設省の官僚とゼネコンがたくらんだ陰謀であり、
     自然の保持と水没予定地区の保護のためには、脱ダム宣言が正しい
     
上記2つが真実かどうかを、実際に比較実験した地方がありました。
うちの実家のある、福井県嶺北地方です。

まずはその1から。
福井県嶺北地方には東の勝山市と西の福井市を結ぶ京福電鉄越前本線が
走っていたのだが、乗客の減少からくる赤字によって、安全装置等を最新化する
事ができず、2000年12月と2001年6月、たった半年の間に2度も衝突事故を
起こしてしまう。

京福電鉄は大金を投じての安全装置最新化は無理、と経営をあきらめ、
沿線自治体も電車に乗らない住民達を中心に、第三セクタ化による営業継続は
税金の無駄、との判断をして、2001年10月に廃線となる。
ところが乗客の半数くらいは、到着時間が不安定な代替バスを利用せず、
マイカーでの送迎に切り替えた(おもに中高生が保護者に学校まで送って
もらうようになった)ため、沿線道路は朝夕と渋滞が常態化。
それでも秋まではまだ良かったが、福井は冬には雪が降る。
これで幹線道路が完全に麻痺状態に陥り、鉄道の利用者だった人間、
そうでなかった人間の双方に多大な迷惑をこうむらせた。

この時、嶺北地方南部の越前市と福井市を結ぶ南北の福井鉄道福武線沿線と、
同じくJR北陸本線沿線では、雪が降ってもまったく渋滞が起きず、交通に何の
支障ももたらさなかった。

この鮮やかな対比に、さすがの第三セクタ反対派も折れ、
2002年にえちぜん鉄道設立、2003年7月に営業開始となる。


その2
福井市中心部を流れる足羽川には、上流でダム計画が持ち上がっていたが、
野党系の反対運動があり、水没予定地区住民も反対していたため
建設は中断。おりしも全国的に脱公共事業、脱ダム宣言の風潮が世の中を
席巻していたため、1997年に計画自体が凍結されてしまった。

ところが2004年7月18日に福井豪雨と呼ばれる集中豪雨があり
その足羽川の堤防が決壊。
死者3名行方不明者2名家屋全壊69戸、半壊140戸、浸水14172戸という
甚大な被害を出すに至った。

しかし、足羽川以上に豪雨が降り注いだはずの福井市北部の九頭竜川では、
上流の真名川ダムと笹生川ダムが文字通りの障壁となって洪水をシャットアウト、
流域居住区の浸水ゼロという見事な記録を打ち立てた。

「これは100年、200年に一度の災害だから予測は不可能、
被害はやむをえない」という意見に対し、
「100年、200年に一度の災害がいつ来るかは分からない。
それに備えるのが防災であり治水である」という正論に圧倒され、
それまでの脱ダム運動が見直され、
逆に流域住民の要請から、足羽川ダムの建設計画が再開されるに至った。


しかし・・・・福井の実験はスケールがでかいぜ・・・全く自慢できんけど・・・
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  posted at 2007/11/21 0:51:06
lastupdate at 2007/11/21 2:01:47
»category : 日記修正

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