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2004年05月16日

Empty Garden2

やっぱり寝坊してモーニングショーに行けなかっただけでなく、もうひとつの映画の上映時間にも間に合わないということが判ったので、まずワタリウム美術館へ行くことにした。出掛けにネットで調べて一番興味を持ったのがこの「Empty Garden2」だったので。

いつも書いているけれど、何も基礎がないから自分の中での「いい」感じと「それほどでもない」感じだけで作品を見ている。「どうして」いいのか、「どうして」悪いのかというその辺りに何らかの説明をつけることはできない。

今日はあまり人がいなくて、静かな館内にヒールの音が響いて時おり自分でぎょっとしてしまう位。フライヤーに、「みな大きく深呼吸をし、再び歩きはじめる」という言葉があったけれど、まさしくそんな感じで、何だか穏やかな気持ちでゆっくりと。

シュタイナー&レンツリンガーの「Whale Balance」は高い天井から床近くまで無数のオブジェが吊るされているもの。それらを支えているのがたった一点の固定だなんて思えないくらいに広がってうまくバランスをとっていた。もちろんパンフレットに書かれているように下から眺めるのだけれど、横から見た時に壁にうつっている影が素敵。ひとつ上の階のガラス窓からは、下からは良く見えなかった天井近くを見ることができて面白かった。

「スパイス・ガーデン」と題された85枚の写真をぼんやりと眺め続けた(これこそ深呼吸しまくりで、色々なことを考えていたような気もするけど……やはりぼんやりしていたんだろうなあ)後、最後に眺めた景色は、本当に静かで、何だか泣きたくなった。ぽつんと灯った民家の明かりが広い世界の中でそこだけ色をつけていて、えーと、何て言ったらいいのかな。寂しいけど暖かいというか。でも何か足りなくてやっぱり寂しい。

ああ、もどかしい。
ほら、やっぱり私には語る言葉がないんだよな。「知らない」ってつらいなあ……。

投稿者 kaori : 2004年05月16日 23:58

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