融解や気化の本質は,先に述べたように,物質粒子の熱振動(が激しくなること)によって粒子間の結合が切れていくことである。
したがって,粒子間の結合が強い(結合力が大きい)物質の方が融点や沸点が高いのは当然であろう。下図に,いくつかの物質について,物質の種類と融点・沸点との関係を示した。
図から,分子性物質は,他の3種の物質にくらべて,融点・沸点が低いことがわかる。
すなわち,分子間力(ファンデルワールス力,および水素結合)は,共有結合,イオン結合,金属結合にくらべて,弱い結合であることがわかる。
なお,図中の各融点・沸点を示す「バー」は,左端が融点で右端が沸点であるから,このバーが長いほど,液体である温度範囲が広いことを表していることに注意せよ。