八丈島の植物


ハチジョウクサイチゴ

写真  八丈島に自生している木イチゴの1種で、草丈は1m以下。茎にトゲがあります。3月下旬に花が咲き始め、5月になると赤い実をつけます。地下茎や落ちた実で広がっていき、繁殖力旺盛、放っておくとたちまち木イチゴの薮になってしまいます。花は一重のバラに似た白い花で、バラだと思えば実に育てやすい、しかも美味しい実のなるありがたいバラです。ひとたび雑草だと思うと、トゲがあるので草取りの時に大変な厄介者となります。しかし「木イチゴが増え過ぎて困る」というのは他の地方の人が聞いたらうらやましい贅沢な悩みかもしれませんね。

←3月頃 

写真
5月の実のなる頃は葉っぱがボロボロ。実を食べようと近づくとバラバラと何かが落ちる音。よく見ると、小さな甲虫が一斉に葉から落ちて逃げていくところでした。このボロボロは彼らの仕業のようです。
写真
原寸→
←拡大図
図鑑で調べたら
マルヒョウタンゾウムシ。
実よりも葉っぱが好きみたいです。




アシタバ

写真  ひところ健康食品として大変なブームになり、ここ数年八丈島でさかんに栽培されていました。今はやや下火のようですが、お茶やパウダー、お菓子などに加工されて土産品として売られています。日本固有の植物で古くから食用として、あるいは民間薬として使われてきました。
 根や茎の切り口から黄色い汁がでて服などにつくとシミになって落ちませんが、この色素成分にキサントアンゲロールおよび4-ヒドロキシデリンという2種類のカルコン類が含まれています。このカルコンは胃の制酸作用や皮膚病の殺菌効果などが知られていますが、がんの予防作用やエイズをひきおこすHIVの増殖を阻害する作用、血液凝固因子の生成を抑制して、血栓が原因となる成人病の予防にも効果的と近年注目を浴びています。 繁殖力が旺盛で今日葉を刈り取っても明日また新しい葉がでてくるという意味でこの名が付けられたようです。八丈島では雑草のようにいたるところに生えていて、昔飢饉の時はこの葉を食べて命をつないだということです。夏から秋に花が咲き12月ごろ種子ができます。 写真
写真
 新芽、若葉を食用にしますが、畑の野菜の端境期にちょうど新芽が出るので庭の片隅に種をまいておくととても便利です。てんぷら、おひたし、油炒めなどで美味しく食べられます。
種をご希望の方、メールをくだされば差し上げます(封書にて送料の80円切手をお送りください宛先はメールにて。ただし、12月下旬になります。)



HOME