| 柳生烈堂の生きた時代の文化 |
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今度は萬屋錦之介ファンの童狸さんから 烈堂の生きた時代の芸術・文化についての、 大変アカデミックなお便りを頂きました。 是非、皆さんにも読んで頂きたいと思います。 |
烈堂さんの生きていた頃の、日本美術ではどんな作家がいて活躍していたかを調べることにしました。
=絵画部門=
幕府御用絵師 【狩野派】(江戸狩野)狩野探幽(1602〜74)
(京狩野)狩野山雪(1590〜1651)〔注:狩野山楽の弟子〕
宮廷絵所預 【土佐派】 土佐光起(1617〜1691)
幕府御用絵師 【住吉派】 住吉如慶(1599〜1670)・具慶(1631〜1705)
町絵師 【琳派】 尾形光琳(1658〜1716)
俵屋宗達(?)
文人画(南画) 祇園南海(1677〜1751)
〔紀州藩藩校の儒学の教授で、藩政の忠告者〕
浮世絵 〈墨摺絵・肉筆画〉菱川師宣(?〜1694)
〈役者絵・丹絵〉 鳥居清信(1664〜1729)
=工芸=
蒔絵 【光悦蒔絵】本阿弥光悦(1558〜1637)
【光琳蒔絵】尾形光琳(同上)〔光悦が師〕
陶磁器 【京焼】 野々村仁清(?)
【御室焼】・・・・明暦年間の頃(1655〜57)
尾形乾山(1663〜1743)〔注:光琳の弟〕
【有田焼】初代酒井田柿右衛門(?)
〔注:1644〜48の頃、明の五彩磁の技法を日本で初めて完成〕
染物 【友禅染】宮崎友禅(?)〔1736年に83歳没という説もある〕
=建築=
善光寺本堂・・・・現在の本堂は1700年に江戸幕府が松代藩真田家に普請方を
命ず。
5年かけて再建費を全国から集め、(総工費は24577両)
1707年本堂が完成した。
東大寺大仏殿・・・・1567年、三好・松永両氏の兵火で焼失したため、復興は
1684年から。1709年大仏殿落慶供養。
黄檗山万福寺大雄宝殿(本堂)・・・・(1668年)
桂離宮・・・・離宮の本格的造営は1640年代から。1663年、後水尾上皇の
御幸のため、新御殿造営。ほぼ、現在もその状態。
絵画部門で注目したいのは、狩野派です。ご存じかもしれませんが、この時代で絵を志す者の全てが必ず通る、基本として習うのがこの狩野派です。室町幕府の御用絵師的地位についた狩野正信を始祖とする流派です。永徳の時代は信長、秀吉に仕えました。江戸狩野と、京狩野に大きく分かれたのは、豊臣と徳川のどちらが生き残るかわからなかった頃にそれぞれの信念で分かれました、結果、徳川についた方が御用絵師の座につきましたが(狩野宗家の光信)、京狩野の狩野山楽らの流れも幕末まで続きます。狩野宗家光信の弟、孝信は宮廷画家であり、その長男が探幽です。サラブレッドの探幽は、11歳で父と共に家康に拝謁し、1617年16歳で徳川幕府の御用絵師になっています。(実際、腕も良かった)1618年父、孝信が没するとその後を当時12歳の弟、尚信に後を継がせ、宗家光信の子、貞信が1623年後継ぎなしで亡くなると、探幽の末弟、安信(1613〜1685)を養子にして継がせます。
こうして狩野家の中枢を探幽三兄弟が占めることになります。
この三家と尚信の孫の代で分かれたもう一つの家を合わせての四家が後に”奥絵師”として幕府の機構に組み込まれます。
☆奥絵師・・・・ 若年寄の支配下、知行200石を与えられる旗本挌。世襲、帯刀許される。
江戸城の御絵部屋に毎月定日に出仕、御用を勤める。臨時の制作あり。
↓ 禄高は高くないが、絵の鑑定料など他収入が多い。(裕福な生活)
表絵師 奥絵師配下に”表絵師”がいる。(狩野の分家、門人の家系など15家)
↓ (表絵師は御家人挌で帯刀は許されず、一代限りをたてまえ)
町狩野 この下は民間で画業を営む”町狩野”という狩野派門人画家達。
諸藩のほとんどが御用絵師として狩野派の画家を採用。全国のあらゆる階層に浸透。
狩野派の画史で特に有名なのは、京狩野の狩野永納(山雪の弟子)が完成させた、「本朝画史」(1693)と、宗家の狩野安信(探幽の末弟)の「画道要訣」(1680)で、画論や流れを説く。(面白いのは、それぞれが自分たちこそ室町以来の伝統を受け継ぐ本筋だと露骨ににおわせている。)
なんだか文化面では、柳生より凄すぎませんか?
表絵師・町狩野・諸藩の御用絵師・・柳生草みたいに散らばっています。
奥絵師が200石だというのも・・・・(^o^)
住吉派は宮廷絵所の土佐派の分派、画風も宮廷好みの大和絵。
宗達、尾形光琳、乾山は時代がバッチリですが、活動の中心が京都です。
(光琳は1704〜1711に4,5回京都と江戸を往復している)
最後に注目したいのは善光寺です。
幕府が再建築をきめて、善光寺大勧進職に任ぜられた慶運(日光門主の特旨)が全国から5年かけて集めたお金でも24577両です。
拝一刀が一殺500両ですから50人足らず。総工費ぐらいは稼いだかな?
参考資料:日本美術史事典 平凡社
カラー版日本美術史 美術出版社
山川日本史総合図録 山川出版社