子連れ狼クライマックス!第三部放映リスト(随時更新) 子連れ狼
子連れ狼第三シーズン放映リスト(1976.4月〜9月放映)

狼止メ衆は不死にて候 脚本小池一夫 監督舛田利雄

 原作者自らが脚色、その上演出に当たるのは「二百三高地」で知られる舛田利雄と豪華極まりないスタッフ。今回から烈堂は佐藤慶、大五郎は佐藤たくみにバトンタッチ、重要な登場人物として将軍(江原真二郎)も顔を出す。鞘香との決闘シーンを子役交代のためにわざわざ撮り直す活動屋魂には敬服する。しかも小川節子のスケジュールが取れなかったのか(追記:74年に結婚引退)、鞘香役はジャネット八田(現田淵夫人)に交代している。ジャネット八田も参っただろうな。いきなり女忍者のコスプレさせられて、そのうえ乳出して惨殺されたんじゃあ・・・

 竜崎勝が煙止め衆の羽斗玄武に扮して、一刀と対決する。なお今回から拝親子は全国指名手配、公開捜査と相成る。天本英世の顔も珍しい。役柄は含み針の婆アという素晴らしいものだが・・・

お乳母日傘 脚本井手雅人 監督舛田利雄 

 杉田かおる再び登場。確か「・・・鬼一法眼」にも出演していた。今回も無惨な最期を遂げる(涙)。
 江見俊太郎の悪家老にニセ金掴ませれて激怒する一刀。藩の扱う抜荷の俵物を差し押さえるなど、ナニワ金融道の帝国金融並みの手腕を見せる。ほかにも刈谷俊介、佐藤蛾次郎、稲葉義男、浜田寅彦、今井健二、佐藤京一(この人も居合の達人)、深江章喜、浜田寅彦、村上不二夫、弓恵子、ドラえもん(山田のぶ代)と脇役個性派オールスター総出演。

来ない明日へ 脚本長坂秀佳 監督大洲斎

 浜木綿子、再登場!もちろん役柄は忘八頭の酉蔵(第一部「あんにゃとあねま」)。幼馴染みが次々婚期を迎えて悩む酉蔵(笑)。一刀親子の凶状旅を助けようとするが、卑劣な代官の策謀で対決を余儀なくされる。
 一方、賞金稼ぎ・地獄造りの竜左(山本麟一)はさまざまなワナを仕掛けて、一刀を待ち受ける。ほかの出演者も加藤嘉、睦五郎と豪華メンバー。

絹の雲 脚本国弘威雄 監督斉藤武市 

 黒鍬者最後のひとり、九郎兵衛(御木本伸介)を討ち果たす一刀。柳生に反感を持っていた九郎兵衛は、いまわの際に(絹の雲という暗号で・・・)柳生封廻状の秘密を明かす。いよいよ盛り上がる柳生との対決ムード。
 隠居した黒鍬衆まで動員する裏柳生の苦衷。最初見たときは、その老境の心情に感動した。しかしよくよく見ると、お馴染みの井上昭文・垂水悟郎・江幡高志らが老け役を勤めており、ちょっと笑えるかもしれない。

母なる味 脚本播磨幸治 監督斉藤武市 

 拝親子につきまとう宿場女郎お仙(安田道代→現・大楠道代)。一刀親子を隠れ蓑に足抜けを図ろうとする。大五郎に飯を炊いてやるシーンは原作でも名場面だった。この話も哀れな女郎の心情がじわっと来る。エンディングのナレーション(内藤武敏)も絶品。
 一刀親子の悪名が轟き渡って、親が子供を叱る際に、「子連れ狼が来るだぞ!」と決まり文句になっているのが笑える。ほかに益田愛子、草野大悟らの出演。

生命来い 脚本池田一朗 監督松島稔

 病身の妻あやめ(松本留美)を抱える天領代官・渡辺角之進(若林豪)は、旧知の拝一刀通過の報にも腰を上げようとしない。夫に武士らしく戦って欲しいと思った妻は・・・
 若林豪が今回は田宮流抜刀術の達人に扮する。ほかに杉江広太郎、橋本仙三らの出演。

忍五輪 脚本猪又憲吾 監督田中徳三

 標題は【しのぶごりん】と読む。意味は素破の末裔・六兵衛の残した五人の姉妹。悪家老・鷹爪正道(北原義郎)の陰謀で、末娘・茜(安西マリア)を人質に取られ、鮎(珠めぐみ)紫(榊ひろみ)らの女忍者が一刀を狙う。しかし鮎の夫・利助(長谷川明男)が一刀親子に助けられ・・・・他に永井智雄らの出演。

死季 脚本小野原弘 監督大洲斎

 重傷の一刀は老婆しげ(賀原夏子)に助けられる。しげと大五郎の交流。しかし凶作で苦しむ村人達は賞金に目が眩んで、かくまわれた小屋ごと一刀を丸焼きにしようとする。
 第一シーズン「八門遁甲の陣」の冒頭と 第二シーズンの「冬への門出」「病い星」を合わせたような話だが、一点違う点は一刀丸焼き作戦が本当に実行されてしまうところである(^^;)。そのため、ドリフのコントのような髪型になって、胴太貫を振るう錦之介の姿が見られる(笑)。

匹夫姦婦 脚本岡本克己 監督松島稔

 仇を探す果てしない旅に疲れた軽部玄次郎(三上真一郎)と押坂千賀(真山知子)。しかし仇の馬淵要之助(宮口二郎)は一刀に斬られてしまう。軽部と千賀は五千両の賞金に目が眩んで、無謀にも一刀親子に挑むが・・・
 今回、貧乏藩から身勝手な借金を申し込まれる一刀だが、そのときすでに大五郎支援兵器の投擲雷購入が決定しており、融資案は即座に却下(笑)。

魔道旅道しるべ 脚本長坂秀佳 監督戸田康貴 

 百姓あがりのガンマン(!?)六連の弥吉(松山省二)が無謀にも一刀に挑む。心配する恋人のお峰(榊原るみ)だったが・・・・無刀流・風の玄内(石橋雅史)と異種格闘技戦。ほかにも大前均、木村元、今福正雄、八名信夫らの出演。弥吉の使う拳銃だが・・・どう見てもスミス&ウエッソン・・・(笑)
 長坂脚本はサービスたっぷりで、賞金稼ぎたちのキャラクターがとてもユニークに描かれている。

大五郎しあわせ花 脚本小野原弘 監督大洲斎

 またもや登場、小池朝雄。今回の役柄は円海和尚、禅問答で一刀と対決する(笑)。ほかに今出川西紀、大関優子らの出演。

武衛流抱え撃ち 脚本池田一朗 監督戸田康貴

 一刀は房州にまでたどり着いたが、三つの代官所と一つの藩が胴太貫の犠牲に・・・・(笑)。勝浦藩主・酒井大和守(岡田英次)は食禄返上、反柳生の火の手を挙げる。裏柳生の暗殺を恐れた宿家老から、藩主警護を依頼される一刀。
 一方、柳生は武衛流砲術の達人・稲葉重政(高橋悦史)を一刀に差し向ける。武士道の権化・稲葉は大砲で一刀を葬ることに苦悩するが・・・今回は池田一朗の脚色が光る。伊豆下田にロケーション敢行。

胸底の月 脚本長坂秀佳 監督斉藤武市

 【きょうていのつき】。またまた惜しい武士を失ったと言いつつ、善人の武士親子(山形勲)を手に掛ける一刀であった。冥府魔道とか言ってると、なにもかも許されるのである。
 しかし御座船なんてどこで調達したのだろう。東映あたりで貸してくれたか。原作では御船手頭・向井将監との武士道対決だけだが、長坂秀佳の筆はそれだけに収まらず(笑)、密室状況での柳生の暗躍などサスペンスも盛り込んで、サービスたっぷりである。ほかにも赤座美代子、南城竜也、加賀邦男、内田勝正らの出演。

嘉祥凶兆 脚本長坂秀佳 監督高井牧人

 【かじょうきょうちょう】。嘉祥の儀とは? 例年6月15日には行われる江戸城の行事。東照公が大樹寺にて難を逃れた故事を記念して、御三家 譜代大名 表高家 諸役などに御菓子が下しおかれる。失態続きの烈堂は菓子をもらえなかったうえに、「嘉祥の日に凶兆をもちこみしおろか者ッ・・・」と、公方(江原真二郎)からさんざん面罵されるのだった(笑)。
 いよいよ後半の狂言廻し、安部頼母(金田龍之介)登場。東洋一の毒薬工場を使って柳生と拝親子の両方を狙う。その忠実な配下、毒蜘蛛お俊を演じるのは、東映の誇る女番長池玲子(半裸の立ち回りアリ)。阿片を使って夜鷹軍団をあやつるのだった。このあたりのエロチックな描写は原作コミックスに驚くほど忠実で、脚色者長坂秀佳先生の配慮が伺える(笑)。

阿部怪異脚本国弘威雄 監督高井牧人

 毒の副作用か、二目と見られぬ面相の頼母だが、不思議と廻りには殿様殿様と慕う腰元を従えており、なんだか羨ましい。
 しかし川に毒を流してはいけない。そういうことをするから日本テレビは再放送を中断したままである。

燎原の火 脚本国弘威雄 監督高井牧人 

 屋敷に忍び込んだ柳生の忍者・榊田甚内(久富惟晴)を麻薬中毒者にして二重スパイ強要。安部のお殿様はさすがである。しかし一刀と烈堂にはそれも通じず、とうとう烈堂には尻尾を掴まれてしまう。頼母は屋敷から厳選された腰元四人を連れて、哀しい死の逃避行に・・・・
 頼母がクスリで眠らせた一刀に、手裏剣が通じないという仰天描写。一刀は睡眠中も反射神経で攻撃をハネ返すという、達人の境地に立っているのである。職場の居眠りにこれは便利かもしれない(笑)。
 ところで残念なことに、お俊は一刀への言い訳に斬られてしまう(^^;)。腰元筆頭のお袖を演じるのは二條朱美。落ち着いた感じの美人だ。

香りを着て 脚本長坂秀佳 監督斉藤武市

 この作品の演出は第三部の白眉である。追う柳生軍団、逃げる阿部頼母、そして死に装束を揃えて死地に向かう一刀親子とめまぐるしい展開。
 なかでも腰元に駕籠を担がせて、逃げる頼母の卑怯未練の狼狽ぶりは素晴らしい。雨が降ってくると「濡れるではないか!」と腰元の着物を剥ぎ取って自分が被るという素晴らしさだ!!!結局烈堂の馬に追いつかれると、今度は首を括って死んだまね。ここまで卑怯未練を尽くされると視聴者は自分の姿を見せられるようで、奇妙な悪役人気がいよいよ高まってくる。

 一方、一刀親子は死に装束の羽二重を購いに呉服屋(戸浦六宏)を訪れるが、すでに夜は更けて閉店時間(笑)。明日またおいで下さいと丁重に断る呉服屋に
 「明日無き身の上にて・・・・」
 と無理矢理、入店する一刀親子であった(このセリフは閉店間際のレンタルビデオ店で使えそうだ)。

父と子と投擲雷 脚本長坂秀佳 監督斉藤武市

 四万二千両の使い道は南蛮渡りの手榴弾でした。と、わざわざ柳生のみなさんに説明する一刀。
 一方、安部のお殿様は八丁河原上流の辰巳大水門を開けて、一刀、烈堂を一気に屠ろうとする。しかし開ける水門を間違ったため、大江戸一帯を大洪水の惨禍に(笑)・・・

血河の灯 脚本国弘威雄 監督斉藤武市

 一刀、烈堂は力を合わせて洪水の流れを変える。頼母は「儂は滅多なことでは死なん」と水死人から蘇生。町人に般若湯をせがむのだった。再び雌雄を決せんと、八丁河原へ向かう両雄。だが頼母がまた素晴らしい悪だくみを・・・・

そして相目見ゆる日 脚本国弘威雄 監督斉藤武市 

 「こんな面白いことが、この世に有ろうとは!」と絶叫して、八丁河原に突き刺さった一刀、烈堂の業物に猛毒を塗り込む頼母であった。木に登って両雄の死闘を悠々見物。「死ねぇい!一刀、死ねぇい!烈堂」と声援を送る姿は素晴らしい。しかし毒の効き目が雨で流れてしまい、両人の脅迫で熱を出した大五郎を治療するハメになる。しかし大五郎の衣服に縫いつけられた柳生封廻状を発見した頼母は・・・
 遂に柳生封廻状の秘密が頼母先生の解説で明らかになる。それを知った公方は激怒、烈堂を召還するのだった。

あるいは死参 脚本長坂秀佳 監督高井牧人 

 奔草の狼煙を上げんと、女忍者おかん(上原ゆかり)の必死の活躍。烈堂は身柄を江戸城に拘束される。出演はほかに剛達人、左右田一平。

父子草大五郎 脚本長坂秀佳 監督高井牧人

 今回は原作コミックスでは奔草録として、独立した短編扱いになっているエピソードを集大成させている。奔草録。これは読んで字の如く、柳生存亡の危機に各藩から馳せ参じる草忍の人生模様を描いた、秀逸なエピソード群である。黒子として一刀に斬られる面々にも、それぞれの家族と人生があるということが悲劇的に描かれている。
 我が武州川越藩からは、小山田主馬(石原昭宏)が早速江戸へ一番乗り、今後の活躍を期待させる。TOSOSINでブレイクした有川博は小諸藩士 御影新八郎役、このあと「波と笛と」で凄絶な殺陣を見せるが、一子小一郎を水死させて江戸に向かう姿は悲愴だ。
 それにしても奔草録のひとつひとつが、傑作時代小説の短編を思わせるような出来映え。小池一夫という作家の底力を感じさせる。

光なき攻防 脚本猪又憲吾 監督戸田康貴 

 山王祭りに便乗して、裃を着て江戸城へと登城する一刀。一方頼母は防火当番中に不審火を出して、切腹を申し渡されるのであった。
 大いにこのドラマを盛り上げた阿部頼母も惜しくも今回で退場。切腹を公儀から強要されての大立ち回りはド迫力である。辞世の句は例の〜ねんねんさいころ毒屋の子〜であった。セットを破壊しそうな大暴れの挙げ句、一刀の介錯でようやく絶命。

守りて候 脚本猪又憲吾 監督戸田康貴

波と笛と 脚本国弘威雄 監督斉藤武市

 集結した柳生草、里入り人たちが一刀に最後の戦闘を挑む。全員が死ぬ覚悟、なかには幼い顔も見られる。ここら辺は学徒動員という感じである。草忍(伊達三郎)の仕掛けで胴太貫を折られ、深手を負ってしまう一刀。不安そうな大五郎に父は言う。
「よいか程なく父の五体は物言わぬ屍となろう。だが命は波と同じ絶ゆることはない。・・・中略・・・その口開かずとも畏れるな、生まれ変わりたる次の代でも父は父、次の次の代でも我が子はお前ぞ、わしらは永遠に不滅の父と子・・・なのだぞ。」
 このあたり、渡辺岳夫の音楽もあって、どうしても巨人の星を思い出してしまう。
 草忍どもを弔う笛の音とともに烈堂が最後の決闘に現れる。
 

 脚本国弘威雄 監督斉藤武市 

 ついにこの超大作も一巻の終わりである。最後の殺陣は文句なしに凄い。まずは一刀の槍止めの技から凄絶な死闘が開始される。この決闘の帰趨を巡って、公方(江原真二郎)、旗本、外様大名が八丁河原に馳せ参じて、江戸中が大騒ぎとなるところはまさに仮想歴史SFである。「上様お忍びであ〜る!」と下知を飛ばしてそれに続く老中(キリヤマこと中山昭二)の口跡もバッチリ決まっている。
 烈堂を救わんと駆けつけた公方だが、もはや何人の干渉も受け付けない死闘は、公方に鐙を外すという武士としての最大の敬意を払う行動を取らせるのだった。
 やがて真剣白刃取りの妙技の応酬が両雄の生命をじわじわ削っていく。鈴の音から回想で大五郎との旅のシーンが入って、長いことこの作品を見ていたファンは感動すること必至だ。
 ラストの完の文字に活動屋魂の発露を見る。

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