「子連れ狼」原作コミックスの魅力を探る!
子連れ狼コミックス

 

 近所の古本屋にて双葉社刊のアクションコミックスを数冊発見。これは週間漫画アクション連載当時のコミックスだ。なんといってもこのバージョンは装幀がかっこ良くて気に入っている。
 各巻ごとにいちいち凝ったサブタイトルが存在し、それも一巻から順に



鏤骨之章、鬼哭之章、怨流之章、鏖殺之章、斬奸之章、涙断之章、僵屍之章、愁刃之章、怒髪之章、別離之章、腥血之章、逝水之章、肺腑之章、光芒之章、背水之章、霜刃之章、凛冽之章、震慄之章、虚空之章、星辰之章・・・・恐ろしく難しい漢字が延々と続いていくのである(笑)。

 ATOKの漢字パレット検索機能をフルに活用さしめる漢字のオンパレードであるが、どなたか暇人のかた、辞典で意味を調べて下されよ。凝りに凝った意匠にも驚かされるが、堂々500万部突破の見開き文句にも驚かされる。まだ漫画の部数がそれほど出ている時代ではなかったはずである。
 そういえば幼い頃、父の書棚の難しい本のなかに一冊このアクションコミックスを見つけた記憶がある。日曜の遅い時間に放映されていたこともあって、リアルタイムでテレビシリーズは見ることが出来なかったが、夜トイレに起きて茶の間を覗くと、女忍者が裸になったりしている妖しい場面を見たような記憶がある。もしかして私の第二次性徴の発現に寄与したのかも知れない(笑)・・・

 現在、小池一夫全集版の文庫で全巻入手可能であるが、やはりもうちょっと紙面が大きいほうが嬉しい。中野のまんだらけで雑誌サイズのものをゾッキ本扱いで一冊買ったことがあるが。当時はアクション別冊としてそういうタイプも出版されたようだ。立派すぎる愛蔵版というのも引っ越しの時に邪魔になる。私は以前に徳間書店で出たバージョンで全巻揃えたのだが、引っ越しのどさくさで捨ててしまった。勿体ない。
 今頃になって、全巻そろい\15000くらいで古本屋を探しているが、なかなか見つからないのである。

 今回入手したのは星辰之章と逝水之章だが、改めて一話完結の各エピソードの完成度には驚く。小池一夫先生は映画のシナリオでも書いているつもりだったかもしれない。時代劇劇画としてはこれに追随する作品は出ないだろう。

 第二十巻にあたる星辰之章では安部頼母がいよいよ登場する。安部頼母、柳生烈堂、拝一刀の三つどもえの戦いでいよいよ面白くなってくるあたりである。しかし金田龍之介氏の演技は劇画を超えているなあ。

 ところでコミックスといえば、銀河鉄道999やワイルド7などの大長編はかなり全巻そろっての入手が困難らしい。こういう長編はCDROMなどで復刻版を出すべきかもしれない。


道草文庫「子連れ狼」全28巻(発行所・株式会社スタジオシップ)

 とうとう文庫版に手を出してしまった。

 これがなんと演出家の蜷川幸雄氏のあとがき付き。意外なところにファンがいるものだ。
 芝居の関係者には、この子連れ狼は非常に評価が高いという。蜷川氏の文章も、子連れ狼原作をしゃぶり尽くしているなという印象で、ファン必読。とくに金田龍之介氏が安部頼母のモデルであるという記述は興味深い。
 「血河の灯」のあたりを読んでみたのだが、大江戸大洪水のスペクタクルが小島剛夕先生の筆で豪快に表現されており、TVシリーズでのああ・・・四万二千両があっけなく・・・という印象は皆無だ。もっともこの場面を完全に映像化するには、生半可な製作費では不可能だろうが。
 いくつか未映像化のエピソードも特定することが出来た。

 文庫版でも揃えたくなってしまったなあ。

1998/04/23


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