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このお話は、史上希にみるすさまじいまでのネタバレ前提で書いてあります。

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「あ、ありのまま起こったことを話すわ……」
「どうしたんです? 朱音さん。たしか前回出番がなかったから今回は作者の原稿を事前チェックしてやるとかなんとか言っていた気がするんですけど」
「……その件よ。この私が事前チェックすると言ったからには作者もびびって出番をじゃんじゃん増やすと思っていたら、『また今回も無かった』の」
「うわー……」
「マジですかいっ」
「ま、まぁひねくれものの作者のことだからな……こういうこともあるだろう……」
「るちあ、この前と言っている同じように見えるが、口許がひくついているぞ」












































































































  

  


 緑が濃いのはどこも一緒であるが、この街はどこか違う。そんな気がした。
 街を見下ろす高台。
 いや、かつて街であったものを見下ろす高台と言った方が正しいだろうか。
 彼女の眼下には、緑に覆われた遺構が広がっている。
 ふと、強い風が一迅通り過ぎた。それに対応するように、眼下の緑が葉擦れの音を立てる。
 それは、まるで岸に押し寄せる波のようであった。
「ふぅん……」
 元は、大きな街で結構繁栄していたのだろう。彼女はそう聞いたことがあったし、資料にもそう記されている。
 ただ、今は大きな街であったということしかわからない。世界中の何処もそうであるが、緑が深すぎて街の規模を掴める程度に留まっているのだ。
「ここが、風祭市か」



『そして引き継がれる、”再開”』



 世界が滅びて、ちょうど十年が過ぎた。
 極東の一地域に端を発した植物の異常繁茂――通称『繁茂』。滅びや崩壊という言葉は忌避されてこうなった――は瞬く間に世界を覆い尽くし、人類は滅びた……ように見えた。
 いや、いずれは滅びるのかもしれない。現在人類の人口は減少傾向にある。
 ただし、それは緩やかになりつつあった。
 ある試算によると、もう数年で減少が停止するのではないかという可能性もあるそうである。
 つまり、僅かに生き残った人類は辛うじて生き延びたのであった。
 高台からかつての風祭市を眺める少女も、その生き延びた人類のひとりである。
「座標の確認終わったよ。間違いなくここは風祭市だ」
 護身用に貸してもらった自動小銃を肩に掛けてあぐらをかいていた彼女に、もうひとりの少女が近寄って言う。肩に掛けているのは、前時代的な大型の無線機だ。……いや、前々時代的と言うべきだろうか。
「ん、さんきゅ」
 通信担当の少女に振り向き、にかっと笑ってリーダー格の少女はそう笑った。
「しかし大人たちもよく許してくれたな。丸一日かかる探検にゴーサインを出してくれるなんて」
 リーダー格の少女の隣に腰を下ろして、通信担当の少女はそう呟く。
「ま、元隣町だしね。社会見学ってことで許してくれたんじゃん? 丁度十年だしさ」
 旧来の娯楽が悉く崩壊した今、彼女達の楽しみは『探検』に移ったのである。
 普段は街の周りの緑に飲み込まれた遺構を歩き回る程度であったが、今回はちょっと遠出をして、元隣町である風祭市まで足を伸ばしていたのだ。
 ちょうど十年経った、その節目として。
「しかしあの子たち、遅いな」
「んー、それだけ面白いものがみつかりそうなんじゃない?」
「探しに行かなくて、いいのか?」
「いいっていいって。第一こっちが勝手に動いて行き違いになったらそっちがまずいじゃん」
「そういえばそうだが……」
 通信担当の少女がそう言ったときである。
「お待ちどうさま〜」
 彼女達の背後で、三人目の少女が暢気な声でそう言った。
 彼女には特に装備はない。
 ただ、天性の勘で探し歩くのみである。
 だが、その勘が割と洒落にならない正答率を誇っていたため、今では彼女達にとって無くてはならない存在であった。
「お帰り」
「もう、苦労しましたよ。先輩ってばいきなり方向転換するわ瓦礫を全然気にしないで乗り越えるわ――」
 彼女に随伴していた四人目の――最年少の少女がそう言う。
「いい加減慣れなって。それで? なにか面白いものはあった?」
「うん! あっちに学校みたいなのがあったよ」
「――学校だって?」



「なんというか……」
 通信担当の少女が、肩に掛けた無線機のストラップを直しながら言う。
「崩壊の中心地だっていうのに、歩きやすいな……」
「元が環境整備都市モデルだったんだよ。もとより緑が多かったから、あの強烈な『繁茂』でもそっちの方に集中して、市街地はある程度形を残せたんだ」
「そんな調査結果、出ていたんですか?」
 最年少の少女が訊いてくる。
「んにゃ、あたしの推測」
 リーダー格の少女がそう言うと、探索専門の少女以外が脱力した。
「ほら、こっちこっち!」
 その探索専門の少女はというと、皆を先導して先に進んでいる。
「ほらここ、学校みたいでしょ?」
 そして指さす先には、植物で覆われた大規模な建造物があった。その手前には門らしき遺構が残っており――、
「『風祭学園』……あー、やっぱり学校だわ。ここ」
 ナイフで絡み合ったツタを切り取って(ただし枯れているもの。生きている場合は早急に修復した上で小規模な『繁茂』を行おうとするので、非常に危険)、リーダー格の少女はそう呟いた。
「しかしこりゃ内部に入るのは無理じゃないか? 爆薬の類はさすがに持ってきてないぞ」
「大丈夫だよ、入り口あったから」
「なぬ?」
「本当です。そこまで確認してから引き返しましたから」
 最年少の少女がそう補足する。
「つい最近に開いたとおぼしき入り口を発見できました。裏手右側にあります」
「ふうん――偶然かね。どう? 入っていいって?」
「……ああ。今確認がとれた。この付近一帯は何度か調査対象に含まれているから、身に危険の及ばない限り、好きにして良いそうだ」
 リーダーの問いに、通信担当がそう答える。
「んじゃ、一丁行ってみますか」
「突入だねっ!」
 わくわくした様子で、探索専門の少女が歓声を上げる。
 かくして、四人の少女は風祭学園の遺構へと、足を踏み入れたのであった。
「中身は……それほど損壊していないな」
 といっても、廊下は人ひとりがぎりぎり歩ける幅しかないのであるが。
「うわー本当だ。外はものの見事に緑に飲み込まれているのにねぇ」
 廊下の割れた窓ガラスから外を見ながら、探索専門の少女が能天気にそう呟く。
「『繁茂』がなければ、私達もこういったところに登校していたんだろうな……」
 通信担当の少女が誰ともなしに、そう呟いた。
「あ、ごめん……」
「いいさ。代わりにこうやって探検できるんだから」
 少し重苦しくなった空気が押し出すように、リーダー格の少女がそう言った。
 十年前のあの日、彼女達は小学校低学年であった。
 覚えているのは、迫り来る緑。
 後はお互いがお互い雑然とした記憶しか持ち合わせていない。
 気がつけば、お互い生き延びていた。そんな感覚である。
「あれ……?」
 そこで、探索専門の少女が足を止めた。
「なんで、ここだけ割と綺麗に残っているんだろ?」
 彼女の指摘通り、とある一室のみが随分と当時の面影を留めていた。
「本当だ。なんでだ?」
 リーダー格の少女も首を傾げる。
「――これのせいじゃないかな」
 探索専門の少女が指さす先――その部屋の入り口には、木の板を彫ったような小さな彫刻が、そっと貼り付いていた。
「なんだこりゃ」
「さぁ……」
 皆で首を傾げあう。
「なんか、『真の中央』にも似たようなのがあったって話ありませんでしたっけ」
 ややあって、最年少の少女が思い出したようにそう指摘した。
 『真の中央』。植物の異常繁茂の中心地は風祭市であるのだが、その中心をさらに検証してみると、それは市街地から少し離れていることがわかる。
 今は見る影もないほど変わり果てたが、元は市民の憩いの場所として親しまれた森であったそうだ。
「あーあーあー、なんだっけ。激しい繁茂の中それに対抗するかのように一部分だけなにもない空間が残っていたんだっけ?」
「そうそう。人がひとりからふたりは生活出来る分のスペースがあったから、原因を作り出した人が居たんじゃないかって騒ぎになったんですよ。――なにも、見つかりませんでしたけど」
「ま、偶然だろう。入ってみるぞー」
 枯れた根っこをぶちぶちとちぎりながら、扉を開ける。
「……なんだこの豪華な部屋」
 部屋の内部は、外側よりさらに綺麗に残っていた。まるで、『繁茂』の前のように。
 ただし、十年の歳月はしっかりと経っており埃などは十分に降り積もっている。
「学校の設備じゃないな」
 と、通信担当の少女。
「校長先生の部屋だったんじゃないかな?」
 探索専門の少女がそう言う。
「校長先生の部屋に流し場やらベッドやらがあってたまるか。あと、あの手の部屋につきもののトロフィーやら何やらがない」
 と、リーダー格の少女が断定した。
「変な部屋ですね……」
 最年少の少女がそう呟く。
 ふたつの時代のちょうど狭間を通り過ぎた彼女達である。
 故にその内装にはどこか懐かしさを憶えるのであったが、前の時代にここまで豪華な内装の部屋を見たことがなかったからである。
「お、ノートPC発見」
 リーダー格の少女の一言に、全員の視線が集中する。
 なるほど、埃を被った豪華な机の上に、こちらも埃を被ったノートPCが一台置いてある。
「ねーねー、読める?」
 埃を手早くはたいて机にかぶりつきになった探索専門の少女が、好奇心丸出しの貌になって、最年少の少女にそう訊いた。
「はいはい……重いの我慢して持ってきて良かったですね――よいしょっと」
 最年少の少女がテーブルの上に置いたのは、携帯用の鉛蓄電池である。かろうじて今の人類が手軽に確保できる充電地が、それであったのだ。
「ノート型だろ。自前の電池で動くんじゃないの?」
 リーダー格の少女が、そう訊く。
「これだけ長い間放置されたリチウムバッテリーがまともに動作する訳ないじゃないですか。コネクタは――うん、これであっているかな。電圧はこれでよし。それじゃ結線して後は起動っと……出来た!」
 画面が表示される。
 全員で、覗き込む。
「ローカルに、ファイルが残っていますね……ええと、『オカルト研究会』……?」
「部室か、ここ!」
 リーダー格の少女が、素っ頓狂な声を上げる。
「なんつー豪華な部屋だよ。『繁茂』の風祭学園ってのはここまで豪華だったかあ?」
「しかしまぁ、このご時世にオカルトも何もないもんだ……」
 通信担当の少女が、そうぼやいた。
「いいじゃない。当時は残っていたんだから。そんなことより中身を読んでいこうよ」
 探索専門の少女がそう宥めて、四人の少女は再び画面に集中した。
「……なぁ、これ歴史的重要資料ってやつじゃないのか?」
 映し出されている文章情報を読みとりながら、通信担当の少女がそう呟いた。
「いや、どうなのかな……場所と日付は近いけど――行方不明者の捜索が『繁茂』に繋がるか?」
 誰へともなしに、リーダー格の少女がそう呟く。
「普通は繋がりませんね」
 その問いに答えるように、最年少の少女が断言した。
「でも、これを書いた人――或いは、この部活に属していた人は『繁茂』の中心点か、ごく近くに居たのかもしれません」
「それはいいから、もっと前のを見てみようよ」
「――そうですね。重苦しい話はいやですし」
 今の人類は、基本的にシリアスな空気や残虐なものを嫌う。目の前にあるものが基本的にシリアスであり、対応を間違えれば残虐な結果になるものが多いためであろうか。
「どうしますこれ? 持ち出します?」
 最年少の少女が、リーダー格の少女に訊く。
「あー、やめておこう。どっかの調査団が後で来たときに騒ぎになるとまずいし。それにあたしらの輸送がまずくて運ぶ途中で壊れたら問題だ。データの吸い出しだけやって、中身をみてもらえばいい」
「了解です」
 頷いた最年少の少女は、荷物の中から記憶媒体を取り出してノートPCに接続する。
「吸い出し範囲は?」
「任せるよ」
「ねーねー、データ見ながらでもできる?」
「出来ますよ。中身を読みながらコピーしましょう」
 探索専門の少女と最年少の少女が作業に取りかかる中、リーダー格の少女は数歩離れて部屋の中を見渡し、
「どう思う、この状況」
 同じく少し離れた通信担当の少女に向かってそう訊く。
「残りすぎている。これだけのものを調査団が見逃すとは思えない」
「だよな」
 自動小銃のマガジンをこっそりと取り替え――目眩まし用の照明弾から実弾に――て、リーダー格の少女。
「誰か――或いは何かが隠蔽しているか、していた可能性がある。念のために注意しておいてくれ。……あの子達に気づかれないように」
「了解」
 同時にかちりと小さな音がした。通信担当の少女が、懐に隠された獲物の撃鉄が起こしたのだ。
 その間にも、ノートPCに向かっている少女ふたりは会話を続けている。
「やっぱりこれ、ブログのデータですかね……几帳面だなぁ、ブログってローカルにファイル作らなくってもいいのに。わざわざバックアップ残していたのかな」
「ブログってなんだっけ」
「簡単に言うとインターネット上の日記です。『繁茂』前は自分の日記とかをインターネット上にあげていたのが流行っていたんですよ。今だって探せば少しだけ残っているはずです」
 最年少の少女が言う通り、インターネットは残っている。笑ってしまう話であるが、無人のデータセンターやその根幹を構成する機器は想定されていた災害――この場合は、人類が滅びるほどの――を、乗り切っていたのだ。
 故に、今も世界のどこかでいくつかのデータセンターは稼働を続けている。自らが活動するに足るエネルギーを失う、その瞬間まで。
「なんか、楽しそうだね」
「そうですね。文章だけなのが残念ですけど」
 画像データはカメラか何かに保存していたのであろうか、そのPCには格納されていなかった。
「『繁茂』前はここでも部活動やっていたんだろうなぁ。今のあたし達みたいにさ」
 そんなふたりにの会話に参加して、リーダー格の少女がそう言う。
「どうだか。私達の活動ってかなり適当じゃないか」
 ため息とともに、通信担当の少女。
「適当だったかもしれないじゃん」
「だとしたら、私達みたいに辺り構わず歩き回っていたってことか?」
「それだと、私達とあまり変わりませんね」
 最年少の少女が、面白そうにそう言う。
「ねぇ、それだったらさ」
 そこで皆の声を制するように、探索専門の少女が立ち上がってそう言った。
「わたし達で再開しようよ。この、『オカルト研究会』を」
「あのな、何言ってるんだ」
 通信担当の少女が、呆れた貌でそう言う。
「だっていままでの探検って、特に部活って決めてなかったじゃない。この際だから、はじめようよ」
「お。いいねぇ、面白そう」
 リーダー格の少女が乗った。
「私もそれで良いと思いますよ」
 最年少の子がそう言う。
「……ずるいぞ、みんながそう言うなら――私だって賛成しちゃうじゃないか」
「でたね、前時代の貴重な遺産、ツンデレ!」
 リーダー格の少女が、そうまぜっかえす。
「だ、誰がツンデレかっ!」
 通信担当の少女が赤面してそう言い返し、皆が笑う。
 それがひとしきりで止んだところで――。
「んじゃ、新生『オカルト研究会』発足を記念しまして……」
 リーダー格の少女が、厳かな調子でそう言う。
「第一回目の活動は……」
 朽ちた窓から外を見る。
 当然のように、それはあった。
「『真の中心』にあるあの馬鹿でかい木、調査してみようか」
 残りの三人がこくりと頷く。



 ――そこで、部屋の戸が無造作に開けられた。
「貴方達、こんなところで何をやっているの?」
 探索専門の少女が誰よりも早く、何もできなかった最年少の少女の手を引き、机の陰――声のした方向の反対側へ、隠れた。
 次の瞬間にはリーダー格の少女が腰の後ろに回していた自動小銃をくるりと回転させて腰溜めの位置に構え、同時に安全装置の解除を実施。そして最後に通信担当の少女が懐からかつて警察が使っていた小型の自動拳銃を引き抜いていた。
「……持っているものを下げなさい。お互い碌なことにならないわよ」
 銃口に晒されているというのに、全く動じた様子もなく、豊かな黒髪を持つ少女はそう言う。そこには気高さと、他者を寄せ付けない冷たさを含む響きがあった。
「結界が消えたから何かと思ったら――此処が何処だか知っていて? 遠足気分で来るようなところではないのよ?」
「そんなことより――」
 空気が緊張の色に染まる中、探索専門の少女がひとりだけいつもの調子でそう訊く。
「わたし達、たったいまオカルト研究会を作ったんだけど、よかったらあなたも参加しない?」
 場の空気が微妙な雰囲気に包まれた。
「っていうか、あなたは誰?」
 リーダー格と、通信担当の少女が相次いで銃口を下ろした。もはや、何処にも緊張の色が見えなくなったからだ。
 そして、見事なほどの黒髪の少女はというと小さく笑って、
「私は志麻子。ただの地元の、女子高生よ」
 ――これが、後に風祭学園オカルト研究会を名乗る、四人と一人の出会いであった。




Fin.




あとがきはこちら










































「魔法の第三惑精クリーミィ☆かがりん、みなさんの声援を受け颯爽登場! ……って、あれ? また欄外ですか? 篝ちゃんショックです!」
「……いやだって、小鳥をはじめ会長達だってまだ出てないじゃん。俺なんて今回木だぜ、木。今すげぇウッディーな気分」
「納得がいきません! 篝ちゃんだってサウンドトラックの曲順を見る限りではヒロインのひとりなのに! いままでで出てきたの、筆頭ツインテールだけじゃないですかっ!」
「筆頭……? ああ、奥州筆頭で眼帯だから静流のことか。ってわかりづらいわっ!」
「ところでツインテールってエビのような味がして美味しいそうですが」
「いきなりカニバリズムなホラー話を持ってくるんじゃない。あとそれ、怪獣に限った話だからな」
「あの怪獣……養殖できたら食糧事情が一気に解決しますね……良い記憶です!」
「どこにそんな広い養殖場があるって言うんよ――っていうかそんなんで良い記憶になるんかっ! 俺の苦労は何だったんだー!?」











































あとがき



 いきなりRewriteで登場するのは瑚太朗だけ、しかも台詞なしという奇妙なお話が出来てしまいました。
 なんというか、どのルートにも属さない崩壊後の世界をイメージしてみたのですが、個人的には人類はなんだかんだで生き延びそうな気がします。
 さて次回は……どないしよw。





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