コース攻略その3:名阪

サンド質が特徴の名阪。
このコースも比較的近畿選手権の開催数が多く、また全日本開催コースでもあり重要です。

派手なジャンプも点在しますが、基本的にストレートの開けっぷりで勝負をするコースに思えます。
これだけならば、単に度胸較べで危険なコースということになりますが、アップダウンを伴うコーナーも多く、そこを勝負どころと見ればテクニックはやはり重要です。

ちなみに私はサンドのバンクが苦手で、当初このコースが嫌いでした。
にもかかわらず、昨年はここで好成績を上げることができました(クラッシュもしたけど)。

今回は役立つかもよ。
(保証なし ^^;)




 速く走りたいならば、ストレートでは躊躇なくアクセルを全開にすることが必要です。そのためにはまず、コースの危険箇所を見極め抑えぎみにして進入できるよう、その手前ではどこまでならばアクセルを開けてもよいのかを把握しなければなりません。その上で、より安全に速く走る方法がないかを検討します。

 で、このコースはコースの片側が崖である部分が多く、コースアウトしてしまうことを想定すると危険箇所が多いといえます。しかし、コースアウトしなくても危険な箇所もあります。

 それが、図のAとBの中間に位置する黄色の区間で、ここは急な下り(ダウンヒルジャンプ)になっています。ここが危険な理由は、その手前がS字になっていることです。S字コーナーで切り返しのためにアクセルを一瞬OFFにすると、めりはりをつけようとすればするほど、リアが左右に跳ねられやすくなります。このため、ダウンヒルジャンプを振られた状態で飛び出すことになり、極めて危険です(これに似たセクションとしては生駒の下のストレートの長いテーブル、同じく生駒のスタート横テーブル等があり、いずれもクラッシュが多発するセクションです)。

 ならば、おとなしくちんたら走ればよいかというと、そういう訳にはいきません。ここは1コーナーの難易度が高くスピードがかなり落ち、なおかつ登りであるため、どうしても強い加速が必要なのです。

 ではどうすればよいかというと、1コーナーの立上がりでなるべくイン側を通りつつ、なるべく右を向かないようにして右ターンをなるべく早く終了させ、ダウンヒルジャンプには緩い左コーナーとして進入できるようにするのです(もちろん理想は直線的な進入です。ちなみに白線のようなラインをとれば、アクセルを戻すことなく切り返すことが可能で、速さの面でも安定性の面でも有利です)。そうすれば、たとえ切り返しで振られても、ジャンプの踏切りまでは距離があるので体勢を整えることが可能ですし、飛び過ぎないように徐々に加速を緩めながら踏切ることも可能です。

 1コーナーを速く走ろうと外に膨らむと、切り返しポイントがジャンプの踏切りに近くなり、危険な状態を招き、それを避けようとすると、踏切り手前のスピードが落ちてしまうのです。また、多少振られてもその後アクセルを開け続けられるのならば、まだ体勢を整えられる余地がりますが、このセクションで開け続けると、ジャンプを飛び過ぎてとんでもない目に遭う恐れがあります。

さて次に、例のごとくハイスピードセクションに注目すると、主だったところはB、C、Dでしょう。


 
しかし、Bのセクションは下りでしかも後半が荒れぎみなため、ここを速く走るのはかなりの恐怖感を伴います。私もこういうセクションは嫌いで、あまり無理しないようにしてるのですが、不思議なことに他人と比べるとむしろ速かったりします。
 なぜなのか考えてみると、他の人は、下り始めの地点から全開加速をしており前半部分は速いのですが、後半のブレーキング区間でギャップの影響をまともに受けて、不安定な状態になっているためと思われます。

 私の場合は、前半部分は高いギヤにほおり込んだ状態で緩めの加速をし、そのかわり後半部分で急激なブレーキングをしないようにしています。こうすればギャップで体が前に行きにくく、振られにくいし、最悪振られそうになってもアクセルを少し開ければ体を後ろに持っていけるので安全です。


 
次はCのセクション。ここは登りなので危険性は低く、純粋にテクニックで勝負できるセクションと言えるでしょう。
 さてここのコーナーは次の急こう配の登りに向けて勢いを付けるため、バンクを目一杯使って大回りしたくなります。が、サンド質のためか、ここのバンクは当て始めてすぐ辺りに大きなギャップができるため、アクセルを開け続けながら綺麗にまわるのが困難です。
 また、たとえギャップがなかったとしても、遠回りのラインを使って他人より速く走るというのは想像以上に困難なことです。

 で、私の場合は、一応バンクに当てますが、比較的イン側の荒れていないところを使い、しかもなるべく速い段階でバンクから離れるようにします。また、バンクを使わないでインを回ることもあります。いずれの場合にも極力早い段階でバイクを直立させ、速いコーナーリングではなく、立上がりでフル加速することを重要視します。
 バンクに頼ると、意外と立上がりでフル加速するのが難しいものです。


 で、C、Dとも相当荒れて来ますが、ここを速く走る方法はただ一つ、体を後ろに持っていき、座るか座らないかというぎりぎりの姿勢でアクセルを全開にし、フロントがリフトする直前をキープして加速します(少なくとも125ccならば、まくれることはありません)。




 で、Eの下りコーナー。
 ここはどうでもいいようなセクションと思われているようですが、さにあらず。実に効果的なパッシングポイントです。ここはかなりこう配がきつく、なおかつ全体的に逆バンクぎみであるため、多くのライダーが外を回ってバンクに当てようとします。インを回ると遅そうな気がしますが、私の経験から言うと、むしろインの方が速いと思います。
 たとえそうでないにしても、同程度のスピードならばインの方が有利ですし、みんなわざわざそこを避けて外に行ってくれるのですから、これほどおいしいパッシングポイントはありません。

 また、ここは立上がりがS字ぎみで、下ってすぐのところにコブがあったりもしますが、インを通れば立上がりを直線的にできるので、速く安定して通過できます。



 最後に、このコースにはいたるところにバンクがありますが、私の場合、バンクを使うのはCの始まりとCの最後(直角コーナーではなくその手前の浅いコーナー)ぐらいで、それ以外はことごとくインベタあるいはインをかすめる走りをします(フィニッシュ前のダブルを飛ぶ場合は、その前後も使いますが・・・)。バンクが苦手な方でも十分上位を狙えます。いろんなラインを試してみましょう。



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