残念ながら現在、日本ではアルコール分1%以上の飲み物を醸造することは御法度です。
これは、あくまで税法上の理由に依る物であり、
日本酒を造るという 日本古来の文化を迫害することを目的とした規制では無い(らしい)ことは、
所謂「どぶろく裁判」の最高裁の判決(平成元年12月)に明らかでありましょう
しかし、このままでは日本酒を造るという文化は廃れてしまうことは目に見えています。
そういう状況を憂うと言った大げさなものではありませんが (あくまで防備録として)家庭でどぶろくを造る方法を記します。
「古来、日本酒は家庭でも出来るものだったのです」
もう一度言います。
ここにある方法で、実際に酒を造ると犯罪になります

目次
用意するもの【道具】
用意するもの【材料】
酒母を仕込む
もろみを仕込む
出来あがりを待つ
飲む
火入れ

用意するもの

【道具】
No. 用具 サイズ等 備考
1
自動酒燗器
電気屋で。
広口で洗いやすいもの。
中身が確認できるようにガラス製のものが良い
2
せいろ
米2升蒸せるくらい
和せいろがお勧め。
蒸せれば何でも良し。木製のもの。
3
せいろと合うサイズ
 
4
布巾
せいろと合うサイズ
米を蒸すときに使う
5
かめ
4〜5升くらい
常滑焼きの蓋付き陶器製がお勧め。
気分が出ます(笑)
6
広口瓶
1リットル位のもの
酒母づくり用
7
調理用秤
500グラム位のもの
 
8
計量カップ
大きめのもの
1リットルくらい計れるものがお勧め
9
温度計

100度までのもの
普通の棒形で充分
10
じょうご
 
酒をびんに入れる
11
びん
適当に(笑)
定番の1升ビン
4合ビン(冷蔵庫に入れて冷やすため)
蓋が自由に着脱可能なビールビンがあれば、なお良し
12
ひしゃく
瓶のサイズに合わせて
仕込んだ後に使う(まぜたり)
木製のもの
13
ざる
大きめのもの
洗った米を水切りするときに使用。
米の量に会わせて(複数使用も可)
14
バット
大きめのもの
蒸した米を麹と混ぜるときに使用。
プラスチック製で可
15
ビニールシート
遠足で使用するタイプ
これを使用すると後かたづけが楽(笑)
16
綿布
じょうごに合うサイズ
もろみを搾るのに使う
【材料】4升分
No.
材料
備考
17
1.8kg
普通の食用米(笑)
アキタコマチとか
18
5〜6リットル
市販の自然水。水道水はお勧めしません
(外国産の水ではなく国内産の水)
六甲のおいしい水や屋久島の水等
19
米麹(生)
660g
お求めはこうじ屋で。手に入らなければ乾燥麹でも可。
ただし、乾燥麹を使う場合は多めに
20
ヨーグルトの種菌
1g
手作りヨーグルト用。
百貨店のヨーグルト売場・ケーキの材料売場等で
21
イースト (生又はドライ)
生:大さじ1
ドライ:3g
生イーストの方が発酵力が強いのでお勧めだが、
ドライイーストでも可(ドライイーストなら3g)
造り方 ()内は、用具・材料番号 A)酒母を作る
1.洗米(米を洗う)・浸漬(洗った米を水に浸す)
  米(17)100グラムをよく水洗いして、水に浸す。使う水は、自然水(18)で。
  浸水時間の目安(古米だと1〜2割多めに。いずれの場合も、心持ち長めに)
  a)水温10度(又はそれ以下):15〜24時間
  b)水温10〜17度:10〜12時間
  c)水温18〜19度:6〜8時間
  d)水温20度〜:水を冷やす!

2.蒸米(米を蒸す)
  米をざる(13)に上げ、10〜30分放置して水を切る
  少量なので、普通の蒸し器で大丈夫。
  時間は、30分〜1時間くらい。
  蒸し上がりの目安としては、蒸米を板の上ですりつぶし、芯が残らないこと。
  見た目ではぱさぱさして分かりづらいが、芯が残らず餅状になればOK。

3.酒母の仕込み−1:麹(19)で米を糖化する
  自動酒燗器( 1)に自然水(18)を240〜300ml入れ(乾燥麹を使う場合は水を多めに)
  約60度(熱燗)にセット
  温度が設定通りになったら、ここに蒸米と米麹(19)60gを入れる。
  最初は米と麹が水を吸って半固形になるが、しばらくすると麹の糖化力で米が溶け始め、
  どろどろしてくる。
  この状態で12時間置く。温度を均一にするため、時々かき混ぜてやること
  焦げないように気を付けて(危なそうなら水を加える)
  ☆なめてみると、甘い。

4.酒母の仕込み−2:3で出来たものを乳酸発酵させる
  12時間放置した3を、今度は40度〜42度(ぬる燗)にセット
  温度が下がったら手作りヨーグルトの種菌(20)を1g入れ、1昼夜そのままにしておく
  乳酸菌の働きにより、乳酸が生成され、酒造りに必要な菌(酵母菌)以外の不要な菌を殺菌する
  ☆甘酸っぱい匂いがして、なめてみると甘酸っぱい(笑)

  注意:ここで必要なのは乳酸だが、くれぐれも市販の乳酸を使わないように。
  市販の乳酸の多くは合成であり、合成乳酸の食品添加は海外の多くの国では禁止されている

5.酒母の仕込み−3:酵母を増殖させる
  4で出来た液体を広口瓶(6)に移す
  そこに生イースト(21)大さじ1(又はドライイースト3g)を入れる
  しばらくすると、発酵が始まる。炭酸ガスが大量に出るので、ビンにふたはしない。
  ふきんか何かをかぶせておけばOK。
  ☆これで酒母が完成。
 
B)もろみを仕込む 洗米・浸漬・蒸米は基本的に【A)酒母を作る】と同様である。
1.洗米・浸漬
  米(17)1.7kgをよく水洗いして、自然水(18)に浸す。
  浸水時間の目安(古米だと1〜2割多めに。いずれの場合も、心持ち長めに)
  a)水温10度(又はそれ以下):15〜24時間
  b)水温10〜17度:10〜12時間
  c)水温18〜19度:6〜8時間
  d)水温20度〜:水を冷やす!

2.蒸米
  米をざる(13)に上げ、10〜30分放置してよく水を切り、
  なべ(3)にたっぷりと湯を沸かす。
  せいろ(2)にふきん(4)を敷き、米を入れて、強火で米を蒸す。
  せいろの中で、米の中央を窪ませて蒸気の通りを良くしておくこと。
  時間は、米の中を蒸気が吹き抜けてから30分〜1時間くらい。
  蒸し上がりの目安としては、蒸米を板の上ですりつぶし、芯が残らないこと。
  見た目ではぱさぱさして分かりづらいが、芯が残らず餅状になればOK。

3.放冷(米を冷やす)
  バット(14)かビニールシート(15)の上に蒸し上がった米を広げ、
  時々かき混ぜながら30度くらいまで冷ます。

4.米が冷える間、かめ(5)を良く洗って熱湯消毒して冷ましておく
  熱湯は米を蒸すときに使ったやつが使える(笑)

5.かめ(5)にAで作った酒母、自然水(18)3.2リットル、米麹(19)600gを入れ、
  良くかき混ぜる。

注意:この時点で、蒸し上がった米の温度が30度、酒母が完成した状態になるように
   調整しておく必要がある。
   特に酒母は完成したら日持ちがしない。半日〜1日が目安である。
 
C)出来上がりを待つ(笑)
○1日1回もろみをひしゃく(12)でかき混ぜること(必づだ!)

○約2週間で飲めるようになる(夏場だと約1週間。春・秋のほうが作りやすいかも)

○その後、もろみのまま同じ位の期間そのまま置いておくとさらに味が良くなる

○もろみの温度は最低10度くらい無いと発酵が進まない
 真冬の仕込みでは、それ以下にならないように注意しておくこと(部屋の中に置くとか)
 10〜15度で温度調整ができればなお良し。

○冬場に早く仕上げたい場合は15〜18度の部屋の中に置いておくといい
 
D)飲む
 出来上がったどぶろくは、そのまま飲むのもいいが、綿の布でしぼって飲んだ方が飲みやすい。

1.ビン(11)にじょうご(10)をセットし、そこに綿布(16)を乗せてもろみを注いだものを搾る。
  あまり強く搾らないように。

2.飲む。

☆冷蔵庫で冷やしても美味しく飲める。その場合は4合ビンを使えば冷やしやすい
 
E)火入れ
実はこのままでは酒は長持ちしない。酵母が生きていて品質が変わるせいである。
そこで酵母を熱で殺菌する。これを火入れという。
と言っても60度のお湯にビンごと漬けて2〜3分待つだけだが(笑)

後は冷暗所で保存すれば多少は長持ちする。
 
F)発泡酒
1.炭酸に強いタイプの容器を用意する。
  外国産ビールのビンで、蓋が針金でビン本体に着脱可能なタイプのもの
  普通のビールビンでもかまわないが、栓打器と王冠が別途必要になる
  (栓打器と王冠は、手作りビールキットを扱っている店に置いてある)
  シャンパンのビン
  コーラ等のペットボトル

2.仕込んだ後1週間くらいのもろみを搾って1の容器に入れ、蓋をする。

3.それを冷蔵庫に入れ、5度くらいで約3日冷やす

これで発泡どぶろくの出来上がりである。
蓋を開けるとき、シャンパンのように蓋や中身が吹き出す恐れがあるので気を付けて。
なお、容器に入れてから1週間以上置いておかないように。
すっげえ美味いです

戻る

トップに戻る