エポック社 「スペースサーチ」 一人用モードリプレイ記

 エポック社が1980年代初頭に発売した、コンピュータを駆使したボードゲームの一種、それがスペースサーチ。7×9=63マスの座標に、難破した宇宙船が隠れているので、レーダーでサーチして、宇宙船が存在する座標を推測し、それを発見していくというゲーム。
 1人用モードと2人用モードがあり、1人用ではコンピュータがランダムに配置した4つの宇宙船を全て発見することが目的。2人用は、コンピュータが配置した4つの宇宙船のうち、どちらのプレイヤーが数多く宇宙船を発見できるか、というシングルプレイの応用モードと、お互い各座標にこっそり配置した4つの宇宙船を、交互にレーダーで探りつつ全て見つけたほうが勝利、という純粋対戦型ルールの二つがある。

完全なアブストラクトではなくて運や勘もある程度必要なゲームで、とくにお互いに配置した宇宙船を見つけあう二人用モードは、対戦型ゲームとしてかなり完成度が高く、世評もなかなか。ただし、それほど人気玩具ではなかったため、普及の度合いはイマイチ。ゆえに知名度もイマイチ。

個人的には、発売当時の1980年前後は、かなり欲しかった玩具だったのだが、なぜか購入せずじまい。他に優先させたい欲しい玩具があったのかも知れない。ここ数年、「あの、宇宙船の座標を調べるゲームってなんだったかな・・・・。タイトル忘れちゃったな・・・」とずっと考えていたのだが、おおまかなルールを記憶のまま入力して検索しても、引っかかるのは同社の”レーダーサーチ”の方だったり、”戦艦ゲーム”の方だったり。

最近、電撃的に脳に”スペースサーチ”というタイトルが閃いて、すぐさま検索、その手でネットオークション落札、という電撃戦法を取ってしまった。

今回はベースルールとなる一人用モードのリプレイを手記し、スペースサーチのルールを紹介していきたい。遠景の埃だらけのTVとかは出来れば無視していただきたい・・・。

ゲームをする前に、まずは組み立て・・・。

その1.ベースとなるゲームボードを立てて・・・・

その2.座標パネルをはめ込んで・・・。

その3.このゲームの心臓部、コンピュータユニットを天井に配置。

その4.駒置きトレイをはめ込んで・・・。

その5.使用する駒、ピン類をトレイに分類して入れて、遊ぶ準備は完成!


 
 

ゲーム開始!難破した宇宙船を救い出せ!


ターン1:一つの座標は、縦横の2つ、斜めの2つの合計4軸に絡んでいる。この4つの軸上に、宇宙船が存在するかどうかをレーダーでサーチしていく。
まずはセオリーどおり、ど真ん中の座標(横D.縦5)からレーダーでサーチ。

ターン1:レーダー反応あり! この座標を構成する4軸のうち、3軸に宇宙船の反応あり! 縦横斜め合計4つの軸のうち、3つに宇宙船が存在する。
いきなり3軸ヒットはでかい。今後の捜索がかなりやりやすくなるはず。

ターン2:今度は探索する座標を(横A.縦5)に変えてみる。同じ縦5列を探索する事で、さらに宇宙船の存在位置を絞り込もうと。

ターン2:サーチの結果、座標(横A.縦5)のレーダー反応は1軸にあり。縦5列に宇宙船が存在する可能性がぐっと高くなったが、まだ確証はなし。
調査した二つの座標がクロスする、(横D.縦2)の座標をサーチする。

ターン3:座標(横D.縦2)に宇宙船のレーダー反応ゼロ! ということは、この座標に絡む縦横斜めの4軸は全て宇宙船が存在しない事に。
黒ピンを埋めて、宇宙船存在可能性がゼロであることを示しておく。このように、反応ゼロをサーチできると、宇宙船の座標をかなり絞り込める。

ターン3:横D軸に宇宙船が存在する可能性がなくなったので、中央部の座標(横D.縦5)を基準に考えると、横軸を除いた縦と斜めの3軸に宇宙船が存在する事になる。
加えて、座標(横A.縦5)の1軸ヒットを基準に考えると、縦軸5列に宇宙船が存在する事が確実になったので、(横A.縦5)に絡む横と斜めの軸3つには、宇宙船が存在しないことになる。これも黒ピンを入れて存在しない座標を潰しておく。序盤ながら宇宙船の位置はかなり絞られた。
 

ターン4:縦5の軸に宇宙船が存在する事は確実となった。残り1/4の確率なので、勘で、まずは座標(横E.縦5)をサーチしてみる。

ターン4:座標(横E.縦5)、外れた・・・・。宇宙船反応2軸ヒット。そんなん出てきても・・・。

ターン5:めげずに縦5軸に再挑戦。座標(横C.縦5)をサーチする。

ターン5:また外れた・・・。座標(横C.縦5)はヒット1。でも縦5軸に宇宙船が存在する事は確実だから、ヒット1という事は、座標(横C.縦5)に絡む横と斜めの軸は宇宙船が存在しないという事なので黒ピンで消せる。

ターン6:めげずに縦5軸をサーチ。こんどは座標(横F.縦5)を探索。

ターン6:ようやく1つ目の宇宙船発見!! (横F.縦5)に宇宙船マークの赤ピンを刺す! 次は2つ目の捜査に。座標(横B.縦1)をレーダーでサーチ。

ターン7:座標(横B.縦1)は1軸ヒット。すでに斜め軸(横F.縦5)で宇宙船を発見しているので、その他の軸には宇宙船が存在しないことになる。これも黒ピンで座標を潰す。下半分はほとんど黒ピンで埋め尽くされたので、宇宙船が存在するのは横軸のE、F、Gに限られてきた。

ターン8:中央の3軸ヒットを考察すると、座標(横F.縦3)、(横E.縦6)、(横F.縦7)、(横G、縦8)のどれか、1/4の確率で宇宙船が存在する。座標(横E.縦3)の2軸ヒットを手がかりにすると、座標(横F.縦3)がかなり怪しいので、ここをサーチしてみる。

ターン8:ほら見ろ!冴え渡る勘(笑)。二隻目の宇宙船を発見! 勢いに乗って座標(横G.縦3)をレーダーサーチ。

ターン9:そんなに連続でうまく行かんわな・・・。座標(横G.縦3)は2軸ヒット。ただし、斜め軸の可能性はこれまでのサーチで既に消えているので、宇宙船の存在は横軸のみに絞られた。

ターン10:2軸ヒットどうしがクロスする座標(横G.縦7)をサーチ。確率は高いものの確証はなし。さてどう出るか・・・。

ターン10:推測見事ビンゴ!3隻目の宇宙船発見! 残り一隻となった。

ターン11:これで中央の3軸ヒットを考えると、残り1隻の宇宙船は座標(横F.縦7)か、(横G、縦8)の1/2の確率。まずは座標(横G.縦8)をサーチする。

ターン11:外れた・・・。1/2なのに・・・。

ターン12:はい、これで4隻目出ますよ。座標(横F.縦7)を最終サーチ。

ターン12:座標(横F.縦7)で、ようやく4隻目の宇宙船発見! ミッション完遂、ゲームオーバーでございます。
 

スペースサーチ留意点

座標をサーチしたときに得られる情報は、あくまでその座標に絡む4軸のうち、何軸に宇宙船が存在するか、という情報のみ。だから、同一軸に複数の宇宙船が存在する場合も、同じ1軸ヒットとしかカウントされないので、その軸から1隻宇宙船を発見しても、同一軸での宇宙船の存在可能性を排除しない事が探査のコツになる。

ちなみに2人用対戦モードでは、この宇宙船を配置する作業を人手で行ない、交互に相手の配置した宇宙船を発見するというゲームになる。

ゲームとして非常に完成度が高く、30年以上経った現在でも、色あせの少ない名作と言える。(記事作成:2013.10.16)
 

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