大した事のない特集、第十五弾!!(02.04)
 

ラジオの身の上相談を聞いて思ったこと

 夜に車で移動中、何の気なしにFMのラジオを聞いていた。FM東京の「小畑由香里のミュージック&トレンドリサーチャー」という番組で、リスナーからの身の上相談をやっていた。

 高校卒業間近で大学も決まっている女の子からの投稿で、「勉学&スポーツ留学をしにアメリカへ行く彼氏から、「一緒にアメリカへ来て欲しい」と言われて、悩んでいる」というものだった。

 それに対して、由香里嬢とともにパーソナリティを務めるよくわからんおっさんが、
「こんな簡単な事で、悩む人間の気が知れない。迷わずアメリカへ、行け」
 と回答していた。さらに、
「もっと深刻な悩み相談を待っている。」
 と放言していた。

 子供から大人まで、悩む内容にレベルの違いはあっても、当人の立場では悩みというものは必ず深刻なもので、それは万人に平等だと思う。そりゃあ、大人の立場で見れば、目下の人間の悩みが簡単すぎて馬鹿馬鹿しく思えることはあるだろう。それは単に自分の現在の思想、立場、実力がその目下の人間を凌駕しているからであって、他人の悩みを軽く扱う権利なんざ誰にも無いとおもうのだが・・・・。
 それを、「簡単な事」扱いしちまうのは、悩み相談の回答としては大NGだろう。

 子供の、「お菓子をたくさん食べたい」って悩みだって、中学男子の「女の裸が見たい」という悩みだって、大人になりゃあお菓子ぐらい稼いだ金で腹いっぱい食えるようになるし、大人になりゃあ、女の裸だって、恋人がいれば只で、例えもてなくともAV借りたり風俗行けば見ることぐらいは難しくなくなる。
 しかし、子供や中学のときの時点ではそれなりに深刻な悩みだろう。

 だいたい、「もっと深刻な悩み」ってなんだよ。例えばこうか?
「ぼくはフリーのジャーナリストです。アフガニスタンを取材中、アルカイダに捕まってしまいました。今、脳天に銃口を突きつけられているのですが、どうしたら良いでしょうか。」
 こんな問題にどう答えるんだ。
 まあ、そのおっさんの事だから、「こんな簡単なことで悩む奴の気が知れない。アフガンになんか行かなきゃ良かったんだよ。もっと深刻な悩み募集。」と、一刀両断かも知れんが。

 だいたいその女の子がラジオの回答真に受けて、アメリカ行っちまったとする。そこでもし、銃なんかで撃たれて死んじゃったら、そのおっさんどういう態度とるのかね。「意志の最終決定は本人にあるのだから、俺には関係ない。」とでも言うのか。
人の人生にコミットメントするにゃあ、態度が軽すぎると思うんだよなぁ。

 その女の子の悩みに対して、自分個人的には、んー、どうかねぇ。男の夢にぶら下がる生き方って、あんまり良くないと思うのだが。まあ、でも、本人の人生だから、本人が決めるしかないんだけれどもね。
 ただ、安易に「行け」とか「行くな」とかは、言えんなあ。

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