大した事のない特集、第十弾!!(00.12)
 

パイオニアはもっと尊重されてしかるべき


  先頃、2000年度の流行語大賞に、「慎吾ママのおはロック」中に挿入されている挨拶の言葉、「おっは〜」が選出された。

  こう話を切り出すと、薄々内容を理解した御仁もいるだろうけれど、この「おっは〜」という挨拶は、香取慎吾のオリジナルではなく、テレビ東京系で放映中の子供向け番組「おはスタ」がネタ元である。(もっとも、「おはスタ」の方は「おっは〜」ではなく、「お〜は〜」だけどね。)

  慎吾ママは、当初「おはロック」を発売する直前に、「サタスマ」番組中で「おはスタ」に挨拶に行き、「おっは〜」の使用許可をもらっている。そこまでは筋が通っているのだが、流行語大賞に選出されてからは、その元祖ともいえる「おはスタ」に対する言及は全く無く、堂々と賞を受けるのみであった。(「おはスタ」に対する言及があったとしても、報道されていない可能性はある。その場合は報道の姿勢が問題になってくる。たとえば、「目覚しテレビ」の軽部アナウンサー。よくもまあ、「フジテレビのバラエティ「サタスマ」から飛び出した流行語」なんて、いけしゃあしゃあと言えたものだ。)

  「おっは〜」という挨拶は、「おはスタ」流挨拶の一部改変であるし、そのポーズは「おはスタ」出演者のレイモンドが考え出したアクションそのものである。許可を受けているとはいえ、明らかにオリジナルな存在ではないし、所詮フォロワーでしかない。

  あの場合は、慎吾ママは受賞を辞退するか、もしくは「おはスタ」との共同受賞を申請するか、いずれかの手段を取るべきだったのではなかろうか。
 

  元祖的存在が尊重されないというのは、何もこの話だけにとどまらない。近年ヒットしたアーティスト達、たとえば宇多田ヒカル、椎名林檎、ゆず等にはすぐフォロワーが現れ、またそのフォロワー達もCDのセールスで本家と並ぶ好成績をあげていたりする。

  流行語、アーティストを例に取り上げたが、その他の分野でも、このような事態が散見される事は多い。

  どうも日本という土壌は、フォロワーをすんなり受け入れてしまう所があり、その際、元祖となった者の立場はあまり考慮されていないように思える。

  時には、そのフォロワーが、まるで唯一無二のオフィシャルであるかのように振る舞い、元祖的立場を凌駕する事すらありうる昨今である。(「おはロック」はその好適な一例だろう。)

  フォロワーの存在を否定するわけではないが、その分野で先鞭をつけた立場には十分な敬意がはらわれていいし、パイオニア的存在に対してはその功績を大々的に賞して、その労苦を十分に慰謝すべきだと思う。
 
 

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