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» アメリカとヨーロッパのプロスポーツに対する思考の違い date : 2007/09/15
F1でもサッカーでも構わないが、ヨーロッパのプロスポーツは、
強いチームはより強く、弱いチームはより弱く、で、ファンが全て納得しているような
所がある。

F1だと、フェラーリは昔から強豪、そしてここ30年くらいはマクラーレンや
ウィリアムズがそれに次ぎ、あとはベネトンとか、強豪チームは
だいたい固定していて、トップチーム、中堅、下位グループの構図はなかなか
ひっくり返せない。
もちろん、メルセデス、BMW、ホンダ、トヨタ、ルノー等がエンジンサプライヤー
として参戦したり、あるいはシャシも開発してフル参戦したりと、
そのつどパワーバランスは変化しているのだが、
全体的に見れば、強いチームは強く、弱いチームは弱いという傾向が明確にあり、
ときどき中堅以下のチームが上位チームに喰らいついていくと、
「おー、なかなかやるじゃないか」と賞賛されるくらいが関の山。

これがアメリカのレースだと、例えばチャンプカーはエンジンもシャシも
2〜3社の供給源が決まっている。
現在はエンジンがコスワース、マシンはローラ、タイヤはブリジストンと固定。
これは別に規定があるわけではなく、たまたまそうなっているというだけの
事なのだが、チーム毎にシャシを開発し、エンジンも様々なメーカが競っている
F1とくらべればその差は一目瞭然。
これによって各チームの実力は接近し、ドライバーの腕による拮抗した熱戦が
繰り広げられることになる。

サッカーも、イギリスはマンチェスターユナイテッド、フランスはリヨン、
ドイツはバイエルンミュンヘン、スペインがレアルマドリードとバルセロナ、
イタリアはユベントス、ACミラン、インテルと毎々強豪チームが固定的存在に
なっている。
ロシアやアメリカといったヨーロッパ以外の大富豪から資金供給でも受けない
限り、弱いチームはずーーーーーっと弱いまんまである。
最近はその流れで、チェルシーあたりがロシアンマネーで強豪化したが、
それがなければリーグチャンピオンになるまでには至ってなかっただろう。


ひるがえってアメリカは、野球にせよアメフトにせよ、バスケにせよ、
ドラフト制度が各チームの戦力均衡をきっちり促し、どのチームも
ずっと弱小のまま、というケースは非常に少ない。
ドラフトに成功して主力選手を上手に揃えても、数年の栄華を経た後は
すぐに下位チームに転落する事も珍しくなく、
逆に「ドアマット」と揶揄された下位チームが僅か十年程度で強豪チームに
のし上がる事も珍しくない。
もちろん、ニューヨークヤンキースやロサンゼルスレイカーズなど、
象徴的なチームがある事も間違いないが、かといってそれらのチームが
常勝であるわけでもない。

ヨーロッパのファンは強いところは強いままで、弱いところは弱いままで、
何かどのチームのファンも納得してるようなところがある。
中世の身分制度を引きずっているようなところがあり、しかも各ファンが
そのポジションに半ば納得しているように見えるのも面白い。

一方アメリカでは、チーム戦略が当たるとすぐ強豪にのし上がれるという
よい点もあるが、一歩間違うとすぐに下位に転落、という怖さも持っている。

どちらがいいかは一概には言えないが、一口に「欧米かっ!」と言っても
欧と米では、えらい差があるなあ・・・・というのが実感。

日本は、メンタリティとしてはヨーロッパに近いが、制度的にはアメリカに
憧れているようなところがあると思う。

だから、日本のプロスポーツは、欧と米の風習のリミックスのような感じがする。
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  posted at 2007/09/15 18:02:57
lastupdate at 2007/09/15 18:02:57
»category : 日記修正

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