大した事のない特集、第七弾!!(00.06)
関西が舞台のドラマに完璧な関西弁は必要か?
関西というのは、日本で最もステータスのある地方である。他の地方の人間は、首都東京に出てくると何とか訛りを消そうと努力して標準語化していくものだが、関西の人間は違っている。東京にて、会社の公式な会議で青森弁や鹿児島弁を使えば失笑を買うだろうが、関西弁を喋る分にはあまりとがめだてされる事はないだろう。
テレビタレントに於いても、俳優、女優などの人種を除けば芸人等が堂々と関西弁を話す姿をよく見かけるはずだし、最近はアイドルなどの人種でさえ関西弁を話す人間もいるくらいだ。その勢いたるや他の方言を引き離して有り余る。
また、関西圏は首都東京への対抗意識も強い。実際の東京は生っ粋の江戸っ子などほんの一握りで、あとは地方からの移民と学生がほとんどを占めている幻想のような土地なのだが。
実際の東京言葉は、ビートたけしや立川談志に代表されるように相当癖のある方言であるが、関西圏の仮想敵になっているのは標準語のたたき台になった山の手言葉を喋る人間のようだ。
しかし、実際に山の手言葉のネイティブスピーカーなんてどの程度生息しているのか甚だ疑問ではある。
テレビドラマにおいても、関西が舞台になる番組は多く、また、関西が舞台ではなくとも「関西出身」という設定を纏った登場人物は多く登場する。
そういった所で必ず問題にされるのが、「あの役者は本当の関西弁を話せていない。」というやつである。
さも鬼の首を取ったように、「XXの関西弁はむちゃくちゃで酷すぎる。イントネーションもまるでなってないし、言葉遣いも全然駄目。」とか言い出す始末。
あーうざったい。だいたい、青森県を舞台にしたドラマで、青森弁が一体どの程度正確に話されているというのか。加賀まり子の青森弁は正確か?
「飛ぶが如く」の鹿児島弁は、鹿児島の実際に即した言葉なのか。西田敏行の鹿児島弁は完璧だったか?
おそらくどの地方でも、役者が喋る言葉にはきっと違和感を感じているに違いない。
また、実際にその地方のネイティブである役者が喋っていたとしても、番組が全国放送ともなれば他の地域の人にも理解しやすいように自ずと言葉を改変しなければならない場合もある。
昔NHKのドラマで、福井県敦賀市が舞台で大和田獏が出演していた事があったが、あれだってかなり違和感覚えたぞ。大和田獏ネイティブなのに。でもまあ、それらの場面を目にしても、我々地方人は大人なので「話し方おかしいけど、まあ、ドラマだからしょうがないよね。」で片づけている訳である。
それを関西の連中は、まるで関西弁を完璧に喋れなければ役者失格のような言い方をするので非常にうっとおしい訳だ。
関西は確かに最も勢いのある地方であり、ステータスも高いが、所詮は地方にすぎない。俳優が標準語を喋る事が出来ないのは役者として致命的だが、関西弁ごとき満足に話せなくとも別に問題でもなんでもないのだ。自分の出身県は福井であり、関西の番組は結構頻繁にTVに入っていたし、東京よりは大阪の方に親近感を覚える口ではある。しかし、関西人の妙なプライドの高さにはついていけない時がある。たかが一地方ではないか、思い上がるのも大概にしろ、と言いたい。
(以前に、TVを付けたら、ドラマの中で持田真樹が独特のイントネーション、「XXなんやぁ〜。」という喋り方をしていた。「ひょっとして?」と思って続きを見ていたら、やっぱり福井県が舞台だった。たしか「はみだし刑事」のスペシャルか何かだったと思う。逆にあそこまで発音にこだわられるとかえってビックリする。しかし福井弁の持田真樹は可愛かった。)